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[転載]女性ファッション誌『VERY』で憲法トーク──「改憲の前に“知憲”」をトレンドに

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人気女性ファッション雑誌『VERY』3月号(光文社)で、「憲法」について語られている。
「お母さんこそ、改憲の前に知憲!」と題して、副題らしい吹き出しには「今、改憲が実現したら、将来、戦地に行くのは誰?」との言葉も。
 
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最初のページは、明るいカフェテラスか公園?なのか、ベンチの上に古びた日本国憲法と子どものボールが。
 
はじめは、“いつの間にか…”をキーワードに、「いつの間にか税金が高くなっている、いつの間にか新しい法律ができた……、“いつの間にか”決まっていた国の制度に驚いた経験は誰にでもあるでしょう。我が子が戦争に行かなければならないことが“いつの間にか”決まっていたら? 知らなかったではすまない日本の未来を左右する改憲と、私たちができることを当たり前に考えてみませんか?」と、子育て世代がスッと次のページに目を移したくなるような書き出しである。
 
パトリック・ハーランさん(芸人・タレント)、太田啓子さん(弁護士)、クリス‐ウェブ桂子さん(モデル)、古市憲寿さん(社会学者)、堀潤さん(ジャーナリスト)の各分野の第一線で活躍する若手5人が憲法トークをくりひろげる。
 
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堅苦しくなく、語り口もシャープだが優しい。
「私達がすべきこと」とした5人の小見出しだけ紹介したい。
 
■自分に関係の薄い話は考えずらいし、頑張れない
  まず身近な問題の「違和感」を大切にすること
 
■きっかけは「大好きな芸能人が憲法に話していたから」でもいい
  声を上げ続けて風化させないこと
 
■将来、子ども達が
  自らきちんと考え行動し、幸せに生きていけるような思考能力を育ててあげること
 
■親は子どもにとって最大のメディア
  自らの言葉できちんと説明してあげること。そして論じる大切さも教えること
 
■ずっと頑張り続けるのはしんどいし、続かない。
  自分は当事者としてどうすべきか考えることを習慣化すること
 
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トークの中では、「自民党の改憲草案」について、憲法の持つ「国家権力を制限し濫用を防ぐための性格」について、「秘密保護法」について、など、どれも軽いテンポで意見を言い合い、何が問題点かを浮かび上がらせていく。
 
ママさん弁護士の太田さんがカフェや商店などで憲法の勉強会をやっている中で「ママ達が憲法改正や集団的自衛権の話を聞くと最後は怖くて泣いちゃうんです。」という。「不安を煽るわけではないけれど、子ども世代が戦地に行くのが現実になるかもしれない。」──はっきりさせるところは、ボカさずにはっきりさせている。
 
堀さんは「戦争はなくさなくてはいけないし平和を希求することが大前提ですが、私達の軍備というものについて国民が自分で判断できるまで考えないと、時の権力者がどさくさまぎれに自らのイデオロギーに沿った理想を実行しようとしたときに、対抗する術がない。まずは知ることが大切ですよね。」と語る。
その通りだと思う。
まず何より大事なこと、急いでやる必要があることは「知らされないこと」、権力者が隠そうとしていることを、自分たちで「知ること」であろう。
 
ネットやSNSの活用の問題も強調しているが、その中で、古市さんが、SNSで自分の意見を言ったり「匿名といえども、会話をするには勉強しないといけないから、自分でも調べようという気持ちになりますよね」と言っているが、SNSが広がれば、情報発信もひろがるが、発信するため、会話をするためには「知る努力」もひろがるというところはなるほどと納得できる。
 
また、古市さんの「いきなり憲法反対とか戦争反対はすごく大きな話だし議論するのも難しいと思います。でも普段から政治や社会について議論することに慣れておくことが初めの一歩ではないでしょうか?地域の学校の仕組みとか、子どもの通学路のことなど、身近なことに問題意識を持つことが大きな問題を考えることに繋がっていくと思う。」という視点は重要だと思う。
また、太田さんの「主婦だってママだって『憲法や政治を語れることはオシャレだし、カッコいい』となるのが理想です。家庭で旦那様と、ワインを飲みながら友達と語れる。そんなふうに日常の一環になっていけば素敵だなと思います。だって私達の生活に関係する大切な話ですから……。」との意見も若い世代にフィットする感覚だ。
 
そして、最後に、「ママ達の井戸端会議といえば習い事の話だったり、子どものことが中心でしたが、これからは憲法もですね!まず“知憲”。今日からハンサムマザー達のキーワードです。」と結んでいる。
 
 
あとの内容は、ぜひ実物を読んでもらいたい。
 
 
なお、記事の中に母親たちが発起人となった「豊橋いのちと未来を守る会」が作成したマンガも必見である。
 
また、太田さんもメンバーの一員の「明日の自由を守る若手弁護士の会」のホームページでも、ユニークな紙芝居や動画、リーフレットなどが揃っている。
 
 
 
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従来だと、こうした「国家」にかかわる問題となると若い世代には縁遠いものとなりがちだった。
ところが、福島第一原発事故以降の原発・放射能汚染問題、昨年成立させられた秘密保護法などで、若い世代の間でも関心がひろがり潮目が変わったと思う。

秘密保護法反対の国会前デモでも、今風の青年、学生服姿の高校生、小さな子どもを連れたお母さんなどが目立った。
 
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法案が成立させられたときも、若い人が集まったが、今年の1月26日には、特定秘密保護法の廃止を求めて、10代の若者が呼びかけた「秘密はいやだ!U20デモ」が行われ、渋谷・原宿の繁華街を650人もの若者が「選挙権はなくても10代が政治を動かそう」「秘密保護法の危険性を身近に感じて」と訴えた。企画したのは、毎週金曜日の脱原発官邸前デモで知り合ったという大学生と高校生らが企画したものだ。
昨年12月の同法成立翌日、安倍首相が「嵐が過ぎ去った」と述べたと聞き「もっと嵐を起こそう」と立ち上がったのだという。
 
また、若い人たちに影響力のある著名人などが、秘密保護法や憲法改悪に反対して続々と声をあげたことも大きいが、特に憲法では、昨年夏のスタジオジブリの小冊子「熱風」7月号の「憲法改正」特集はインパクトがあったと思う。
http://www.ghibli.jp/docs/0718kenpo.pdf#search='%E3%82%B8%E3%83%96%E3%83%AA+%E7%86%B1%E9%A2%A8+%E6%86%B2%E6%B3%95'
 
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特集で「憲法を変えるなどもってのほか」と題した談話を寄せた宮崎駿氏は「自分が思っていることを話した。『あれはダメだよ』とか、そういう(ラフな)感じでしゃべっていたので、ああいう形になった。」と述べ、なぜ「熱風」で憲法改正を取り上げたのかという経緯については、「鈴木さん(鈴木敏夫プロデューサー)が、中日新聞で憲法について語った後(201359日の中日新聞で「平和をもたらした憲法9条をもっと世界にアピールすべきだ」と主張)、彼に脅迫が届くようになった」と明かし、「冗談だが、鈴木さんが刺されるかも、という話があり、知らん顔をしてるわけにもいかないから、僕も憲法について発言した。高畑監督にも原稿をお願いし、『3人いると標的が定まらないだろう』などと言っていた」という。
 
引退表明の会見で、こんなやりとのがあったことについて大手メディアでは取り上げられなかった。
 
 
 
「戦地に子どもを行かせくない」という人、「安倍首相が『嵐が過ぎ去った』と言うから『嵐を起こしたい』」という人、「鈴木さんが刺されるかもしれないから」という人など、憲法の問題を考えよう、声をあげようとする動機はさまざまだ。
そして、いろいろな人が、時にはワイワイ集まりながら、時にはちょっと休憩もしながら、さまざまなやり方で、さまざまなチャンネルから発信し続け、声をあげ続けていくことが肝心だ。
その力が大きくなれば、いつか何かを動かすかもしれない。
 
そのためにも、まず憲法のことを知る“知憲”から始めよう。
 
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転載元: TABIBITO


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