群馬合同労働組合第12回定期大会
群馬合同労働組合は2017年7月23日(日)、高崎市矢中公民館において、第12回定期大会を開催しました。46人もの組合員、地域・県外の仲間が集まり、盛大に熱くなごやかに意義のある大会を勝ちとることができました。大会後の中央タクシー分会祝勝懇親会も大いにもりあがり、夜遅くまで笑い声のたえない楽しい懇親会となりました。
中央タクシー分会、群馬バス分会、あらたに結集した青年たちを先頭に、闘う労働組合の大きな飛躍を決意しています。
みなさん、ありがとうございました。今後ともあたたかいご支援をよろしくお願いいたします。
中央タクシー分会、群馬バス分会、あらたに結集した青年たちを先頭に、闘う労働組合の大きな飛躍を決意しています。
みなさん、ありがとうございました。今後ともあたたかいご支援をよろしくお願いいたします。
2017年7月25日 群馬合同労働組合 執行委員長 清水彰二
第1号議案 総括
第2号議案 情勢と闘いの方向性
第3号議案 方針
第1号議案 総括 (その1)
1 はじめに
7月2日の都議会議員選挙は、自民党惨敗で安倍政権崩壊のはじまりともいえる歴史的な転換点になった。安倍がたのみとしてきた支持率は急落し、30パーセントをわったとマスメディアが報じている。
群馬合同労組は東京西部ユニオン副委員長の北島くにひこ氏を推薦して、ともに闘った。都庁議事堂レストランで、放射能被曝に反対するふくしま署名を集めたために解雇された東京西部ユニオンのシングルマザー・柿沼さんの解雇撤回闘争を先頭にして、東京から闘う労働組合を作り出そうという選挙戦として闘った。結果は2496票という厳しい結果であるが、問題は闘う労働組合のうねりをどのようにつくり出すのかということである。あらためてきもにめいじて、群馬からあらたな闘いにふみだそう。
2 この一年の前進
一年前の7月24日、第11回定期大会のときは組合員が○○名だった。今大会は現状○○名、うち○名はやむなく今大会で脱退。ほかに労働相談も一年で○○件あったが、加入してともに闘うにはいたっていない。中央タクシー先頭に闘いが激しくなり、ブログをみても相談・加入のハードルは高くなっている。しかしこれは重要な前進である。
闘う労働組合、職場で闘う労働組合としての組織と体制が作られつつあり、そうした認知も獲得してきたと言える。○○名での新年度の出発になる。着実な組織拡大の前進を確認して、大々的な拠点建設、組織拡大に突き進もう。
中央タクシー分会の3名が群馬合同労組に結集したのが2年前。去年の大会のときは、まだ群馬バス分会の仲間もいなかった。その群馬バス分会が、中央タクシー分会と団結を固めて、分会長の不当解雇との闘いをも決意して毎日闘いつつ、大会直前にT組合員の加入という決定的な勝利を勝ちとっている。またA組合員、Y組合員という、職場に労働組合を作りたいという、若い労働者の加入を勝ちとってこの第12回定期大会を勝ちとっている。
今年度の活動報告年表を作成し添付した。組合のデモ・ストライキ闘争・抗議行動(長野含む)は4回。その他の群馬での集会・デモ・イベントへの参加は16回、毎週一回も休まず続けてきた高崎駅西口金曜日行動=タカキンは52回、東京はじめ全国での闘争、共闘関係の集会・デモ・イベントは34回、団体交渉は8回、労働委員会11回、組合員が原告で傍聴をよびかけた裁判17回、執行委員会・分会会議など会議・学習会48回…。一年ともに闘ってくれた組合員に感謝する。裁判闘争を全面的に引き受けともに闘ってくれたY弁護士にも心から感謝したい。ありがとうございました。ほんとうによく闘った。
群馬合同労組は、群馬にあって、もっとも、いや唯一といってもいい闘う労働組合である。
群馬県労働委員会が今年労働委員会制度創設70周年ということで統計をまとめているが、2012年以降、5年間で不当労働行為の新規救済申し立ては16件であり、そのうち群馬合同労組の申し立てが実に9件を占めている(群馬経済新聞社2件、中央タクシー2件、司建設、ホテル1C、Yプロパティ、群成舎、群馬バス)。重要なのは数だけではない。ブラック企業相手に、労働者の生きるための団結権を職場から勝ちとっていこうという闘いは、群馬合同労組にかかっているという自負がある。
また群馬合同労組は、闘いの報告は可能な限りホームページ上のブログで公開してきた。それは何よりも組合員が仲間の闘い・怒り・苦しみを共有し、団結を強化するためであり、職場の労働者に決起を訴えるためであり、群馬の労働者、全国の労働者にこうすれば勝てる!ともにたちあがろう!と呼びかけるためである。
またブログでの記事はブラック企業に大打撃を与える武器にもなっている。就職を考えていた労働者から、ブログの記事は本当ですかという問合せがいくつもくる。求人への応募が減って、労働者の使い捨て構造が崩れるのだ。
この一年間のホームページの閲覧数は5万件をこえ、訪問者数はのべ2万人をこえている。このブログをみてこの間多くの労働者とつながり、団結をつくりあげてきた。
多くの労働者が、労働組合に対して絶望し、闘う道を閉ざされ、あきらめと絶望・不安の中にある。多くの労働者が病気になり、自殺し、自暴自棄になって道をふみはずしていく。秋葉原事件のようなことさえ起こる。資本に対する闘っても勝てないというあきらめだけではなく、いっしょにはたらく労働者が自分に対する抑圧者として登場する。群馬合同労組の組合員でも、パワハラ相手を殺してやりたいという衝動に後々までも苦しんでいる。
国鉄分割・民営化以来の30年、新自由主義は、正規と非正規を敵対させ、労働組合を団結と闘いの武器とするのではなく、一部の既得権益を守り、他の労働者を排除する敵対物に変質させてしまった。しかし、群馬合同労組は、結成以来12年の闘いをたくさんの労働者とともに闘うなかで、現状をうち破る展望をつかんできた。
労働者には力がある、分断された労働者の底深い怒りと闘う労働組合が結びつくことができれば勝利することができるという確信である。闘いはこれからだ。
3 中央タクシー分会の闘いの勝利
群馬県労働委員会は今年3月27日命令を交付して、群馬合同労組中央タクシー分会のS・T組合員に対する固定残業手当の毎月約8万円の減額ならびに3人全員の2015年冬の賞与の減額について、「会社が組合や組合員に対する批判的な感情の下、その活動を抑制するために行ったもの」と不当労働行為をを認めて、中央タクシーに対して、減額を「なかったものとして取り扱え」と支払いを命じた。
K分会長の運転業務はずしについては、申し立てをした2015年6月時点では、「健康に留意したもの」で、不当労働行為とは言えないと棄却した。しかし会社はここまで不当労働行為意思をはっきりと指摘されて開き直れず、3月31日に分会長を運転業務に戻すことを通告、K分会長は実に1年10ヶ月ぶりの運転業務復帰を果たした。
またその後に、組合員3人だけ、去年の夏・冬の賞与が支給されなかった件についても、会社は命令された金額と合わせて全額支払った。
5月17日、勝利後はじめての第8回団体交渉では、会社は悪徳社労士を解任し、新しい社労士とともに団交に出席。宇都宮司社長はかたくなに謝罪を拒否したものの、基本的にすべての要求項目を認めざるをえなくなっている。
いま経営の危機におちいった会社は、車両の安全投資をケチるというとんでもない状態に入っているが、分会の闘いの飛躍でうち破ろうと、分会はすさまじい執念で闘いにはいっている。
現在たたかっている残業代裁判は、労働者に過労死と奴隷労働を強制する固定残業代制度をぶっとばすため、分会の総力をあげた闘いとなっている。分会は激しい議論もケンカもやりながら、絶対に勝利するという思いで団結して前進している。ここに群馬合同労組の未来がある。組合員、支援、共闘、こぞって団結して勝利しよう!
4 群馬バス分会の闘い
群馬バスの闘いは、この一年足らずの闘いで、群馬と日本の労働運動にとって決定的なものとなった。国鉄闘争の地平で、ゼネストを切りひらく闘いそのものだ。解雇され、孤立しながらも、不屈に闘っている分会3名の仲間ととことん団結して、絶対に勝利しよう。
群馬バス分会の闘いは、なによりも生きるための闘争である。
新自由主義の30年は、地方のバス労働者にとって、苦しみの連続だった。地方切り捨てとモータリゼーションという車優先社会の進行。地方公共交通は衰退の一途、倒産や分社化という形で労働者に対する団結破壊が吹き荒れた。戦闘的にストライキで対決した労働組合もいくつもあった。しかし国鉄分割・民営化攻撃の中で、動労が裏切り、国労が屈服し、地区労が闘いを放棄する中で、分断され、個別に闘いをつぶされた。
また国鉄分割民営化は、国家が地方(公共交通)を切り捨てていく宣言であり、弱肉強食、弱いものはつぶれてしまえ、すべては自己責任と宣言するものだった。
群馬バス株式会社は、東急の資本傘下にあり、戦後の群馬のバス事業復興の中心的企業であった。しかし2001年に経営悪化で、東急が事業を整理して撤退。それにかわって設立された現在の株式会社群馬バスは、最初から運転手を6ヶ月単位の契約社員として雇用し、組合もゼロスタートだと、最初から団結破壊と首切りからはじまったブラック企業である。
2015年8月に群馬バスは、運転手を無期雇用の正社員に転換した。ところがこの無期雇用の正社員化は、賃下げを条件とするものだった。会社は2万円ほどの賃下げになるが、60歳以降の嘱託は賃上げになるからガマンしろと説明した。
ところがこれはとんでもないものだった。新規加入したT組合員は、それには同意できないと当時唯一拒否した。当然だ。賃下げは死活問題だ。みんなローンもあるし、子供の進学にもお金がかかる。会社は報復的に、Tさんへの運転はずし、乗合から貸切への強制配転、手当のカットなど嫌がらせといじめを行った。
O組合員は、なかば強制的に同意させられた。そのうえさらにパワハラと追い出しをうけた。たくさんの仲間が悔しい思いを胸に、職場を去って行った。群馬バスでは新しい労働者ほど基本給が安い。手当も少ない。だから古い労働者を大事にするどころか、追い出すことにちゅうちょしない。
3人の分会の仲間の決起は、まさに待ち望まれた決起である。それは全国のバス労働者の怒りがついに国鉄闘争を闘う労働組合と結合をはじめたということだ。
群馬バスでは、正社員化の際に変更契約しなかった労働者の時給は800円である。現在の群馬県の最低賃金は759円だ。乗客の命をあずかり、資格も必要なバスの運転手が、である。
群馬バスの賃金計算は、こうである。拘束時間を、①準備時間(1日50分、始発の前30分と最終の後20分)、②ハンドル時間(実際に運転している時間、といっても遅れがでても関係なく、ダイヤごとに計算して決められている)、③待機時間(「中休」「ちゅうきゅう」と読む、終点の時間から次の始発までの待機時間などの合計)、④休憩時間(実際は「中休」から勝手に1時間は休憩したという決めつけ)にわける。そのうえで、待機時間「中休」は原則休憩時間=無給(団交での代理人弁護士の説明)とし、しかしそれではまずいので2分の1に計算する。時給800円なら400円になってしまう。
さらに、自分がどれだけのハンドル時間なのか、待機時間がどれだけなのか、これを労働者は知らされていない。ダイヤごとに設定した時間を、会社は機密情報としてひた隠しにしている。だからだれも自分の賃金計算ができない。
36協定で決めた時間外労働の上限は月80時間。これでも立派な過労死水準であるが、群馬バスはさらに待機時間を2分の1にしてしまうやり方、さらに待機時間が2時間をこえる場合は「解放」と称して拘束時間からはずしてしまうやり方などで、労働者に法外な拘束時間を強制している。しかし労働者は低賃金故に休日労働もやらざるをえない。まさに地獄である。
昨年12月4日、川崎臨港バス労働組合が24時間のストライキを行った。これもやはり待機時間を悪用した、新しい体系に対するやむにやまれぬ闘いだった。要するに朝のラッシュを運転させて、夜のラッシュも運転させる。間の待機時間を休憩時間にしてしまう。これでは労働者は本当に生きていけない。
同じような資本の攻撃に労働者は悔しい思いをしている。しかし労働者は怒っているし、闘う力ももっている。まさに問われているのは労働組合の闘いなのだ。
たとえば待機時間=「中休」は、労働時間に決まっている。終点で客を降ろして、次の始発までの間なんて、勝手に運転席をはなれるわけにはいかないのである。バスを移動させなければいけないし、客にも対応しなければいけない。これは中央タクシーとも同じ問題である。
まさにこういう問題を具体的に闘う労働組合が必要である。群馬バスには、私鉄総連加盟の、会社とユニオンショップ協定をむすぶ群馬バス労働組合がある。新会社設立の際には、組合つぶしをうけて労働委員会でも闘ったはずが、和解と同時に労使一体の御用組合になってしまった。
また国労高崎が組織する合同労組「交通ユニオン」の分会がある。これも労働委員会で闘ったが和解して、いまや群馬合同労組つぶしにくみしているありさまだ。国鉄(JR)で起こったことと同じことが起こっている。群馬合同労組群馬バス分会の登場は歴史的な意味をもっている。
現在、群馬バス分会の闘いは、毎日が激しいやり合いである。
M分会長に対する解雇攻撃は、資本の最大の攻撃であった。始業前の呼気中アルコール検査で酒気帯びにもならないわずかな数値が出たことを口実として、分会長を一発解雇した。会社は就業規則どおり適正に処分したというがとんでもない不当労働行為だ。現在、群馬県労働委員会に救済を申し立て、動かぬ証拠も提出した。絶対に解雇撤回勝ちとり、大反撃に転じる。
分会長解雇の勢いで会社はO副分会長に対しても攻撃をくり返している。7日間の停職を初めとする懲戒の攻撃、休日出勤はずしの兵糧攻め攻撃、「会社に残りたければOと話をするな」という群馬バス労働組合の許しがたい分断・孤立化攻撃などなど。
組合はこれも不当労働行為救済を申し立てて断固闘う。
その中で、T組合員のあらたな加入は、会社に強烈な打撃を強制している。16年も一生懸命はたらいてきた運転手を生活破壊して追い出してあざけり笑う群馬バスをもう許しはしない。
待機時間の問題はバス労働者・運輸労働者にとって死活的な問題である。ここで闘う労働組合が、ゼネストの組織化の展望をもって、闘うことが決定的である。「中休」2分の1の未払い賃金を請求する裁判闘争にはいる。全国のバス労働者との団結をかけて闘う。
何よりも職場闘争だ。ひとつひとつの闘いが、これまでの奴隷職場を変えている。それは確実に職場の労働者の意識を変えるはずだ。
毎週の高崎駅西口金曜日行動(タカキン)は、群馬バスの労働者に分会の闘いを伝え、ともにたち上がろうと呼びかける場として、位置づけてきた。ブログを書き、ビラにして、タカキンで配るという行動は確実に会社と会社派組合に打撃をあたえている。群馬合同労組の闘いとしてタカキンをもりあげていこう。
群馬バス分会の闘いは、一年足らずでこれだけの闘いを切りひらいている。群馬合同労組と全国の仲間の力を総結集して勝利しよう。