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<1票の格差>7月参院選「違憲で無効」…広島高裁岡山支部
毎日新聞 11月28日(木)10時10分配信
「1票の格差」が最大で4.77倍だった7月の参院選を巡り、二つの弁護士グループが選挙無効を求めた訴訟で、広島高裁岡山支部=片野悟好(のりよし)裁判長=は28日、岡山選挙区の選挙を「違憲で無効」とする判決を言い渡した。一連の訴訟では最初の判決で、参院選で1票の格差を理由にした無効判決は初めて。参院選の定数配分全体も違憲で無効とした。片野裁判長は今年3月、衆院選の「1票の格差」を巡る訴訟でも「選挙無効」の判断を示していた。被告の岡山県選管は上告するとみられる。
【質問なるほドリ】「1票の格差」はなぜ生じるの?
判決は「投票価値の不平等さは甚だ顕著である。国会が選挙制度の改革に真摯(しんし)に取り組んでいたというには大きく疑問が残る」と国会の怠慢を厳しく批判した。
7月の参院選で岡山選挙区は自民党の石井正弘議員が初当選。議員1人当たりの有権者数が最少の鳥取選挙区との1票の格差は3.27倍だった。判決は定数配分全体が違憲で無効としたが、選挙が無効となるのは対象の岡山選挙区だけ。判決が確定した場合、石井議員は失職、選挙はやり直される。
「1票の格差」を巡っては、最高裁大法廷が20日、昨年の衆院選について、国会に幅広い裁量を認め「段階的に見直しを重ねることも許容される」として、「違憲状態」にとどめる判決を出した。
一方で大法廷は昨年10月、最大格差が5.00倍だった2010年の参院選を「違憲状態」とした上で、「都道府県単位の選挙区のまま投票価値の平等を実現するのは困難。制度を見直し、速やかに不平等を解消する必要がある」と指摘していた。
国会は参院選前に選挙区定数を「4増4減」し、1票の格差は4・77倍に縮小したが、都道府県単位の選挙区は維持。これに対し、今回の判決は「5倍に匹敵する程度の格差で、投票価値の不平等状態は依然として継続している」と指摘し、現在の定数配分規定そのものを違憲と判断した。
被告の岡山県選管は「(昨年の)最高裁判決から選挙まで9カ月しかなく、改革には短かった」と主張したが、判決は、最高裁が参院の選挙制度を見直す必要性に初めて言及した09年時点から「選挙制度の抜本的改革を内容とする立法的措置を講じなければならない責務があった」と指摘した。
さらに「仮に47選挙区全ての選挙が無効になったとしても、長期にわたって投票価値の平等という憲法上の要請に著しく反する状態を容認することに比べ、弊害が大きいとは言えない」と判断。選挙の効力については有効と扱うべきだという「事情判決の法理」の適用は相当ではないと結論付けた。
弁護士グループが選挙無効を求めた訴訟の判決は、28日の広島高裁岡山支部を皮切りに年内に全国14の高裁・支部で示される。
岡山県選挙管理委員会の岡本研吾委員長は「非常に厳しい判断がなされたと受け止めている。判決内容をよく検討し、国とも協議の上、今後の方針を決定したい」との談話を発表した。【原田悠自】
◇解説…国会の現状を断罪
判決は、格差是正に向けた抜本改革が進まない国会の現状を厳しく「断罪」した。1990年代から小手先の是正を重ね、今回も「4増4減」で格差をわずかに縮めたのみ。「びほう策」に司法がしびれを切らし、「他の懸案に優先して取り組むべきだ」と国会に強く迫った形だ。
参院は選挙区定数の「8増8減」(95年選挙)や「4増4減」(2007年選挙)といった是正を施したが、5倍前後の最大格差が常態化。最大格差5.00倍の10年選挙を「違憲状態」とした昨年10月の最高裁判決は、都道府県単位の選挙区割り自体の限界を指摘したが、司法の警告はこれが初めてではない。
07年選挙(最大格差4.86倍)を巡る訴訟の09年9月の最高裁判決は「定数振り替えだけで格差の大幅縮小は困難だ」と制度見直しの必要性に言及した。今回の判決はこの時点から約3年9カ月の期間があった点を重視し「改革に真摯(しんし)に取り組んでいたというには大きな疑問が残る」と述べ、16年選挙での新制度導入方針についても「見通しは甚だ不透明」と不信感をあらわにした。
選管側が上告するのは確実で、最高裁が来年には統一判断を示す見通しだ。最高裁は今月20日、昨年衆院選について国会の裁量権に最大限配慮した判決を出しており、今回の無効判決が確定する可能性は低いが、抜本改革に至らなければ、将来的に最高裁も厳しい判断を示す可能性は否定できない。【和田武士】
【質問なるほドリ】「1票の格差」はなぜ生じるの?
判決は「投票価値の不平等さは甚だ顕著である。国会が選挙制度の改革に真摯(しんし)に取り組んでいたというには大きく疑問が残る」と国会の怠慢を厳しく批判した。
7月の参院選で岡山選挙区は自民党の石井正弘議員が初当選。議員1人当たりの有権者数が最少の鳥取選挙区との1票の格差は3.27倍だった。判決は定数配分全体が違憲で無効としたが、選挙が無効となるのは対象の岡山選挙区だけ。判決が確定した場合、石井議員は失職、選挙はやり直される。
「1票の格差」を巡っては、最高裁大法廷が20日、昨年の衆院選について、国会に幅広い裁量を認め「段階的に見直しを重ねることも許容される」として、「違憲状態」にとどめる判決を出した。
一方で大法廷は昨年10月、最大格差が5.00倍だった2010年の参院選を「違憲状態」とした上で、「都道府県単位の選挙区のまま投票価値の平等を実現するのは困難。制度を見直し、速やかに不平等を解消する必要がある」と指摘していた。
国会は参院選前に選挙区定数を「4増4減」し、1票の格差は4・77倍に縮小したが、都道府県単位の選挙区は維持。これに対し、今回の判決は「5倍に匹敵する程度の格差で、投票価値の不平等状態は依然として継続している」と指摘し、現在の定数配分規定そのものを違憲と判断した。
被告の岡山県選管は「(昨年の)最高裁判決から選挙まで9カ月しかなく、改革には短かった」と主張したが、判決は、最高裁が参院の選挙制度を見直す必要性に初めて言及した09年時点から「選挙制度の抜本的改革を内容とする立法的措置を講じなければならない責務があった」と指摘した。
さらに「仮に47選挙区全ての選挙が無効になったとしても、長期にわたって投票価値の平等という憲法上の要請に著しく反する状態を容認することに比べ、弊害が大きいとは言えない」と判断。選挙の効力については有効と扱うべきだという「事情判決の法理」の適用は相当ではないと結論付けた。
弁護士グループが選挙無効を求めた訴訟の判決は、28日の広島高裁岡山支部を皮切りに年内に全国14の高裁・支部で示される。
岡山県選挙管理委員会の岡本研吾委員長は「非常に厳しい判断がなされたと受け止めている。判決内容をよく検討し、国とも協議の上、今後の方針を決定したい」との談話を発表した。【原田悠自】
◇解説…国会の現状を断罪
判決は、格差是正に向けた抜本改革が進まない国会の現状を厳しく「断罪」した。1990年代から小手先の是正を重ね、今回も「4増4減」で格差をわずかに縮めたのみ。「びほう策」に司法がしびれを切らし、「他の懸案に優先して取り組むべきだ」と国会に強く迫った形だ。
参院は選挙区定数の「8増8減」(95年選挙)や「4増4減」(2007年選挙)といった是正を施したが、5倍前後の最大格差が常態化。最大格差5.00倍の10年選挙を「違憲状態」とした昨年10月の最高裁判決は、都道府県単位の選挙区割り自体の限界を指摘したが、司法の警告はこれが初めてではない。
07年選挙(最大格差4.86倍)を巡る訴訟の09年9月の最高裁判決は「定数振り替えだけで格差の大幅縮小は困難だ」と制度見直しの必要性に言及した。今回の判決はこの時点から約3年9カ月の期間があった点を重視し「改革に真摯(しんし)に取り組んでいたというには大きな疑問が残る」と述べ、16年選挙での新制度導入方針についても「見通しは甚だ不透明」と不信感をあらわにした。
選管側が上告するのは確実で、最高裁が来年には統一判断を示す見通しだ。最高裁は今月20日、昨年衆院選について国会の裁量権に最大限配慮した判決を出しており、今回の無効判決が確定する可能性は低いが、抜本改革に至らなければ、将来的に最高裁も厳しい判断を示す可能性は否定できない。【和田武士】