【春季特別号論文】
7月参院選で鈴木必勝を
戦争・貧困・非正規化と対決する新しい労働者の政党をつくろう
全国から6・5国鉄闘争大集会へ
春季特別号論文のルビつきPDFファイルはこちら(リンクを別窓で開く→)

(写真 就業規則改悪阻止と賃上げを掲げてCTS本社前で抗議行動に立つ動労千葉【4月20日 千葉市】)
【2】新自由主義日帝と徹底対決し「労働の奪還」論で革命勝利へ
⑴ 国鉄決戦でつかみとった「労働の奪還」論の革命性
動労千葉、動労水戸を先頭とした国鉄決戦の中からつかみとられた「労働の奪還」論は、プロレタリア革命運動がついに到達した決定的地平である。
社会主義協会派の「反合理化闘争論」やカクマル黒田の「組織現実論」、日本共産党スターリン主義など戦後労働運動において体制内党派によって流布されてきた労働論は、結局は労働そのものの持つ本源性・革命性を封じ込め、プロレタリア革命を永遠のかなたへ遠ざけ、労働者の手から革命を奪い取るものでしかなかった。
だから、「労働者の解放=プロレタリア革命をいかにして実現するのか」という核心的テーマについて、すべての党派には回答がないのである。
人間にとって労働とは本来、生命活動、労働の対象化の活動であり、それは協働性=共同性そのものであり、家族と人類の再生産の源である。資本主義社会において資本家階級は生産手段を独占し、労働者を生産過程の一部におとしめる。労働者は労働の担い手でありながらも、自分の労働の成果に対する喜びや達成感、社会の主人公であることの誇りを奪い取られる。
反合理化・運転保安闘争と被曝労働拒否闘争は、労働組合のもとに団結することで職場支配権をかちとり、自分の労働と労働の誇り、共同性を資本から実力で奪い返す闘いである。
体制内労組幹部は、労働者から労働を奪い取り職場支配権を解体する合理化攻撃と闘わず、合理化の結果としての労働条件のみを問題とする。それは、労働に対する資本の支配をあくまでも労働者に認めさせ屈服を強いるものでしかなく、その行き着いた先が、国鉄闘争における全面降伏の2010年「4・9政治和解」である。今こそ、総非正規職化攻撃を「労働の奪還」論で打ち破り、労働者の総決起をかちとろう。
「労働の奪還」論は、職場攻防における勝利を方向づけることにとどまらない。労働者が労働を奪還する闘いは、職場支配権の確立から国家権力の掌握に突き進まざるを得ない。個別資本との闘争は必ず資本主義国家そのものとの闘争へ発展する(国鉄闘争はもとより、鈴コン闘争を見れば明らかである)。「労働の奪還」論は、ゼネスト―プロレタリア独裁・ソビエト建設として発展する革命論である。
1917年のロシア革命においてボルシェビキは、国家権力奪取―労農政府樹立に上り詰める過程で労働組合(もしくは工場委員会)が存在する工場での生産管理闘争を方針とした。労働に対する労働者の誇りを取り戻し、職場と社会を奪い返す闘いをプロレタリア革命として実現していった。
したがって、「労働の奪還」論はさらに言えば、資本主義を打倒した後の社会を準備し、打ち立て、運営していく原動力である。
革共同は、2010年代中期階級決戦の真っただ中で「労働の奪還」論を全労働者のものとして確立し、プロレタリア革命の勝利へ進撃していく。7月選挙決戦は、当面する最大の戦場である。全力で決起しよう。
⑵ 戦後労働法制の解体攻撃と労働運動をめぐる大激動
極限まで非正規職化進める「新3本の矢」
安倍は、アベノミクスの大破綻と、朝鮮侵略戦争―第3次世界大戦の超切迫のもとで、労働法制解体=総非正規職化によって労働運動の息の根を止める大攻撃に打って出てきている。
安倍は、旧「3本の矢」政策が完全に破綻する事態に直面し、昨年9月、「新3本の矢」なるものを打ち出した。
この「新3本の矢」の核心は、例えば「希望を生み出す強い経済」「生産性革命」などと言っていることに示されるように、外注化・非正規職化と労働運動解体を極限まで推し進めることにある。そこに労働法制解体の核心的狙いがある。
「戦後総決算」の完遂をかけた戦後労働法制の解体攻撃は、具体的には以下のように全面的な攻撃である。
▽労働者派遣法改悪(昨年9月)
▽解雇規制撤廃―金銭解雇制度、国家戦略特区
▽労働時間規制撤廃・8時間労働制解体―残業代ゼロ法案
▽総非正規職化―限定正社員制度、「多様な正社員」「多元的な働き方」
▽就業規則万能論―労働組合解体
日帝・安倍とブルジョアジーは、自らの延命のためには、労働者階級に対して戦争と貧困、搾取強化と団結破壊の階級戦争を仕掛ける以外にない。そこまで日帝の危機は深いということである。「生産性革命」を叫び、総非正規職化と団結破壊に突き進む安倍を倒そう。
連合分裂で改憲推進・産業報国会化を狙う
安倍は「官製春闘」で、連合の分裂・分断を狙い促進している。そのために「同一労働同一賃金」などと言っている。それは労働者階級に対する総非正規職化攻撃だ。
「同一労働同一賃金」は、安倍と直結しているUAゼンセンの賃金方針である。UAゼンセンこそ、集団的自衛権賛成、原発賛成、改憲推進、徴兵制賛成の現代の「産業報国会」だ。UAゼンセンは労働者の決起を抑えつけることを請け負って経営者とユニオン・ショップ協定(組合に加入しない者、脱退・除名者の解雇を使用者に義務づける協定)を結び、その手法で組織を拡大してきた。今や完全に日帝・安倍の総非正規職化と戦争・改憲攻撃の先兵になっている。
安倍は7月選挙で改憲攻撃を推進するとともに、連合の分裂・分断を推し進め、UAゼンセンを中心に労働組合の「産業報国会」化に乗り出そうとしている。7月選挙決戦の最大の攻防点に、連合問題、すなわち労働組合をめぐる攻防があり、同時に非正規職撤廃の攻防がある。
さらに日本共産党スターリン主義は、「国民連合政府」構想の破綻の上で「野党共闘」を叫んでおり、おぞましい限りである。この日本共産党の破綻は、労働運動への裏切りと破綻であり、全労連などを含めて労働運動の新たな流動情勢を引き寄せている。
大恐慌と世界戦争の危機は、世界の労働者階級を激しく揺り動かし、国際連帯闘争と階級的労働運動を大決戦にたたき込んでいる。今こそ階級的労働運動派が戦争翼賛勢力・連合を打倒し、労働運動の主流派に飛躍すべき時だ。動労総連合建設こそ、その最大の力である。
⑶ 破綻極める新自由主義を今こそ全戦線で粉砕する時
7月選挙決戦、2010年代中期階級決戦は、〈新自由主義的帝国主義〉の攻撃と闘う、全戦線にわたる全面的な階級決戦である。
70年安保・沖縄決戦においては、労働運動、学生運動を基軸にして、全戦線の闘いが階級闘争の課題として登場した。この70年安保・沖縄決戦と、70年代から80年代の反革命カクマルとの死闘をとおして、国鉄分割・民営化攻撃との大決戦が闘われた。それは80年代のレーガン、サッチャー、中曽根による、世界的な新自由主義攻撃の本格化との一大激突の開始であった。
以来30年間の闘いは、国鉄分割・民営化攻撃および改憲攻撃と闘ってきた30年であり、「生きさせろ!」をめぐる闘いであった。
中曽根の「戦後政治の総決算」攻撃は、臨調・行政改革攻撃、国鉄分割・民営化(1987年)およびそれと一体の「床の間をきれいにして新しい憲法を安置する」(中曽根)という改憲攻撃を柱にして、労働者派遣法の制定(1985年)など労働運動解体攻撃を全面的に仕掛けてきた。
さらに80年代においては、86年岩手爆取弾圧、87年迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧、星野文昭同志への無期確定(87年)を頂点にして、革命派・闘う労働者階級への絶滅攻撃とのすさまじい死闘が闘われた。
そして、新自由主義攻撃の本格化のもとで、70年闘争で革命的に登場した全戦線に対する大反動攻撃が繰り出された。84年の臨教審(臨時教育審議会)攻撃、部落解放運動や女性解放運動、障害者解放運動、入管闘争などあらゆる地域運動を解体するものとして、全社会を巻き込んだ全面的な大攻撃が行われた。
今、「戦後政治の総決算」を完遂しようとする攻撃との全面的な対決の時が来た。国鉄闘争の地平を踏まえ、80年代からの30年間の激闘を経て、ついに全戦線で新自由主義を粉砕する階級決戦が到来している。
それは、世界大恐慌が全面化・本格化し、朝鮮戦争―世界戦争の超切迫情勢のもとで、階級的労働運動派の不屈の前進による、中期階級決戦の本格的な大爆発の始まりだ。この時に、党と労働組合の一体的前進、宣伝・扇動の変革、地区党建設論の実践的深化、非正規職撤廃闘争論の実践と、その土台としての「労働の奪還」論での豊かな路線的飛躍を全力でかちとっていくのである。
これらの路線、さらには時代認識を打ち立て、だからこそ国鉄決戦、動労総連合建設決戦をますます決定的な基軸にして、戦争・改憲阻止の闘いを全面的に爆発させよう。さらに国際連帯闘争、反原発闘争、反軍闘争の発展をかちとり、プロレタリア世界革命に向かって、党と階級の飛躍をかちとろう。そのためには、沖縄闘争・辺野古新基地建設阻止の闘い、部落解放闘争、障害者解放闘争、女性解放闘争など、全戦線での路線的・実践的確立と運動の飛躍が求められている。
労働者階級は自分のためだけでなく、他人のためにこそ闘える存在だ。党の役割は路線を鮮明にさせて労働者階級を援助し、プロレタリア革命によってのみ勝利できることを理論的・実践的に明らかにしていくことにある。
昨年4月以来闘い続けている韓国・民主労総ゼネストにおいて、民主労総の呼びかけに応えて外国人労働者、農民、露天商、障害者、「貧民」、学生などあらゆる層の民衆が総結集している。
「労働者階級の解放に全人民の解放がはらまれている」というマルクス主義の原理を貫き、労働組合が全人民にもはっきりと認められる拠点、よりどころとなって決起した時に、全人民の根底的決起を解き放つことができる。そこに向かって目的意識的に階級的労働運動路線を深化させ、実践的闘争と連帯を準備していくことが、革命にとって死活的である。
最後に、70年闘争から70年代から80年代の死闘、「戦後政治の総決算」=国鉄分割・民営化攻撃との決戦・激闘は、民間反革命=ファシスト・カクマルとの長期の内戦の勝利としてかちとられた。革共同は30年間にわたる対カクマル戦争に勝利し、今、全面的に階級的労働運動路線を実践して、100万人、1千万人と結びつく政党への飛躍に突き進んでいる。この間の闘いは、カクマル組織を大分解させ、今やカクマルを「4・28沖縄闘争」も取り組めないまでに追い詰め、衰退させている。中期階級決戦が、このファシスト・カクマルとの内戦の歴史的勝利の地平で闘われていることをしっかりと確認したい。
カクマルという「現代のナチス」を打倒した時空間をしっかりとつかみ、国鉄決戦の圧倒的前進と地域運動の大決起をかちとろう。
パリ・コミューンに始まりロシア革命の勝利をもって切り開かれた世界革命の荒波が、長い苦闘の時代を経て再び世界の表舞台に登場している。帝国主義のいかなる激しい攻撃にも団結を崩されず、維持し強化して闘うならば、労働者階級は必ず勝利できる。
労働組合の拠点建設を軸に、国鉄闘争の地平で全戦線の課題・闘いを地区党の正面課題に据えて闘おう。
ーー3/5へつづくーー