【春季特別号論文】
7月参院選で鈴木必勝を
戦争・貧困・非正規化と対決する新しい労働者の政党をつくろう
全国から6・5国鉄闘争大集会へ
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(写真 鈴木たつお弁護士 元日放労【NHK労組】長崎分会委員長。職場で反戦闘争、組合運動を取り組む。1991年に弁護士登録。労働者・学生の権利のために闘う。現在、動労千葉顧問弁護団、星野文昭さん再審弁護団などを担う。「許すな改憲!大行動」代表呼びかけ人。1940年生まれ。)
はじめに
7月参議院選挙闘争に労働者階級の未来をかけて、全党全人民は必勝の体制で総決起しよう。労働者人民とともに闘う鈴木たつお弁護士の勝利をめざす7月選挙闘争は、朝鮮侵略戦争絶対阻止をかけた大決戦である。「新しい労働者の政党をつくろう! 改憲・緊急事態条項新設絶対反対! 派遣労働廃止・非正規職撤廃! 安倍政権打倒!」を掲げた大決戦である。
4月24日に行われた北海道と京都の衆院補欠選挙の結果は、7月選挙決戦が動と反動の一層激しい激突のもとで一大階級決戦となっていることを示している。ここでも示されたことは、労働者階級人民は、日本共産党スターリン主義など腐敗し無力化した既成野党に代わる「新しい労働者の政党」を切実に求めていることである。
さらに、朝鮮侵略戦争の切迫のもとで、その最大の出撃基地・沖縄における辺野古基地建設阻止の闘いは、建設工事を中断に追い込み、沖縄の労働者人民が切り開いた〈ゼネスト情勢〉を示している。
こうした中で起きた九州・熊本大震災は、新自由主義的帝国主義がつくりだした「人災」、階級的災害である。怒りを組織し、「被災地救援・川内原発を今すぐとめろ」の闘いを全国で闘おう。同時にそれは「第2の3・11」として、新自由主義日帝・安倍政権の政治危機・体制危機を加速している。安倍政権はアベノミクスの総破産とともに、大恐慌下の国際争闘戦での日帝資本の敗退や震災での生産停止などに直撃されて、断末魔の危機にのたうち回っている。
必勝を期して、直ちに7月参院選決戦に全面的に突入しよう。
4月13日の韓国総選挙でのパククネ与党の惨敗は、労働者人民・民主労総の決起が打ち下ろした歴史的審判である。韓国、アメリカ、中国、さらにフランス、ブラジル、トルコを始め全世界の労働者と団結し、国鉄決戦と7月選挙決戦で安倍政権を打倒しよう。
【1】動労千葉ストと京大弾圧粉砕を頂点にした1〜4月の地平
⑴ 動労千葉が先頭で闘ってCTS就業規則の改悪阻む
1〜4月の闘いは、動労千葉のCTS(千葉鉄道サービス)闘争と京大反戦スト弾圧粉砕を頂点として、新自由主義攻撃を労働者階級の実力で粉砕する画期的な勝利を切り開いた。「時代は変わった!」と誰もが言い切れる階級攻防に突入している。
動労千葉がCTSによる就業規則改悪の4月1日実施を粉砕した。CTSはJR東日本の子会社であり、千葉支社管内の駅舎清掃・車両清掃整備と車両の検査・修繕業務、構内運転を受託している。
CTSにおける就業規則改悪は、CTSとJRが改悪労働契約法の「5年ルール」を振りかざし、大量解雇の先兵になろうというものである。
13年4月施行の改悪労働契約法18〜19条は、5年間有期雇用で働いていた労働者に「無期雇用の転換権」が18年4月以降に順次発生することを定めた。この「5年ルール」制定の目的は、非正規職化に対する労働者の怒りをかわし、18年4月の前に全員を解雇し、選別再雇用するというものである(選別の方法は試験であったり、評価であったりする)。
文字どおり戦後労働法制の全面解体攻撃であり、「第2の国鉄分割・民営化」と言うべき団結破壊・総非正規化の攻撃である。17〜18年(郵政は1年前倒しを決めた)に有期雇用1400万人―非正規労働者2千万人がこの渦中にたたき込まれる。それは、6千万労働者全体の総非正規職化をめぐる攻防となっていく。
現在CTSの契約社員・パート社員は1年ごとの契約更新で、実際上は65歳まで自動的に働くことができる。しかし新制度ではいったん全員5年で解雇し、選別的に限定社員として雇用するというやり方だ。作業手当も大幅減額となる。(『日刊動労千葉』8052号より)
すさまじい内容であり、「5年ルール」の本質を鮮明に示すものである。こんなものを労働者が許せるはずがない。CTSの850人の労働者の怒りが爆発し、御用労組すら就業規則改悪への意見書を書くことができず、4・1実施が葬り去られたのだ。
この闘いは第一に、CTSのみならず全JR労働者、有期雇用1400万人、2千万人の非正規職労働者、全労働者の未来を切り開く闘いである。
動労千葉組合員は、自分たちの闘いが2千万非正規労働者―6千万労働者階級全体の未来を決める使命に燃えてストライキを先頭に総決起した。そして、緒戦で見事に粉砕した。ついに国鉄決戦の中から非正規職労働者の大進撃が開始された。
第二に、CTSをめぐる攻防にJR総連カクマルを引きずり込んだ。JR総連傘下のCTS労組が現場労働者の怒りで意見書を書けない状況を見て、東労組が意見書を提出する裏切りを行った。また、田城郁(JR総連選出の参院議員、カクマル)がCTS労組を「激励」訪問している。JR東資本との結託体制復活を哀訴し、労働者を売り渡す東労組カクマルを労働者は許さない。JR総連支配を吹き飛ばし、JR体制打倒・動労総連合の圧倒的登場をかちとろう。
第三に、今こそ国鉄1047名解雇撤回・JR復帰の新署名運動を前進させ、国鉄闘争を全労働者の先頭に登場させる時である。国鉄分割・民営化阻止決戦の地平が、時代を切り開く時が来た。動労千葉・動労水戸を先頭に闘ってきた国鉄闘争が生み出した「労働の奪還」論は、正規・非正規の団結をつくりだし、新自由主義を打ち破る展望を生み出している。
⑵ 京大反戦ストライキへの弾圧を粉砕し6学生を奪還
全学連は、3月の京大反戦ストライキ弾圧を完全粉砕して6学生を奪還した勝利を引き継ぎ、4月新歓決戦で多くの新入生と結びつきながら、4・28沖縄デー闘争をうち抜いた。その進撃を押さえつけようと、国家権力は4月19日に東京学芸大学でビラまきをしていた武田雄飛丸君(法政大学文化連盟委員長)を「建造物侵入」でデッチあげ逮捕する暴挙に手を染めたが、全国学生運動は激しい怒りをバネに前進している。
京大反戦スト弾圧粉砕闘争の大勝利が、「大学と戦争」をめぐる一切の力関係を規定している。昨年10月の京大反戦バリケードストライキに根底的打撃を受けた日帝国家権力と京大当局は、朝鮮侵略戦争前夜情勢で「二度と大学ストはやらせない」と告訴―弾圧に踏み込んだ。しかしそのあまりの不正義性は、京都―全国の労働者・学生の広範な怒りを呼び起こした。それは6学生の完全黙秘・非転向の闘いと結びついて警察―検察―裁判所を包囲し、弾圧を見事にうち破る力となった。
一つに、自国帝国主義の侵略戦争参戦に対して学生がキャンパスから反戦ストに立ち上がることは、圧倒的に正義だ。「反戦ストは無罪!」なのだ。一切の戦争動員―戦争協力を拒否し、「貧困と戦争」を強制する新自由主義大学をストと実力闘争で根底的に解体すること、大学・教育を実力で奪還することこそ戦争を止める力である。
二つに、昨年10月の「監禁致傷」デッチあげ弾圧粉砕に続く京大スト弾圧粉砕闘争の勝利は、法大闘争10年の地平を発展させるものだ。「完全黙秘・非転向」で団結を守り抜く時、国家権力はまったくの無力となる。
三つに、ストライキ―ゼネストこそ全世界的な労働者・学生の反乱の基調だ。フランスでの労働法制改悪阻止の巨万の大学生・高校生のバリスト決起は、労働者人民全体を革命化させている。全世界で帝国主義・新自由主義への怒りが爆発し、ブルジョアジーを打倒するうねりが始まっている。
四つに、「大学と戦争」をめぐる攻防の中で、日本共産党スターリン主義の反革命の正体を暴き出していることが決定的だ。京大スト弾圧に対して共産党京都府委員長は「ストは犯罪」と叫び、労働者人民の怒りを買った。全国大学反戦ストの現実性に打ち震える彼らは、東京学芸大で「反戦ビラまき弾圧」を主導するまでに反動化し、安倍戦争政治の先兵となった。
一切の結論は、あらゆる反動・弾圧を吹き飛ばし、全学連が「京大第2波スト―全国大学反戦スト」へうって出ることである。階級闘争における学生運動の牽引(けんいん)性・革命性は、京大スト弾圧粉砕の勝利で鮮やかに開示された。全国大学反戦ストと7月選挙決戦勝利へ、学生運動のさらなる爆発をかちとろう。
⑶ 動労総連合の建設が前進
3月決戦で、何よりも最大の攻防である動労総連合の建設が前進した。3・19動労神奈川の小田原集会・デモ、動労福島と動労総連合・新潟のスト決起、九州北陸、北海道(準備会)での結成、そして動労総連合・東京の結成へ巨大な前進がかちとられた。
この動労総連合建設の旗のもとで、動労総連合、合同・一般労組全国協議会、日本機械工業労働組合、東京武蔵野病院・精研労組など、全国の階級的労働運動の拠点で春闘ストライキが波状的に闘いぬかれた。
さらに『非正規が闘って、勝った!』(生コン運転手たちの闘いの記録)の地平から、東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会(鈴コン分会)は第2ラウンドの闘いに突入し、合同・一般労組の拡大・発展を切り開いている。
鈴コン分会の勝利を引き継いで、同じく合同・一般労組全国協議会に結集する小竹運輸グループ労組は4月20日、茨城県労働委員会における闘いで、解雇撤回・原職復帰、未払い賃金の支払い、会社側の謝罪文掲示など歴史的な完全勝利命令をかちとった。勝利の鍵は、当該組合員があらゆる不当労働行為を受けながらも、団結を崩さずに不屈に闘い抜いてきたことである。
これらの闘いのすべてに無限の階級的団結があり、国際連帯がある。そこから階級的労働運動の拠点の無数の建設が始まるのだ。
⑷ 3・11と被曝労働拒否闘争
東日本大震災―福島原発事故から5年の3・11反原発福島行動16(郡山)は、地元福島を先頭に、全国から1050人の結集で打ち抜かれた。安倍政権による福島切り捨て、帰還と被曝の強制に対する怒りの先頭で闘いぬいた。
また、今年の行動には、同じく地元で原発と闘う愛媛や舞鶴の自治体労働組合が結集し、動労水戸が開始した被曝労働拒否の共闘の広がりを示した。この中で高浜原発3、4号機(関西電力、福井県高浜町)の停止をかちとった。さらに、常磐線全線開通阻止を安倍とJR資本に断を下す闘いとして発展させ、3・21動労水戸支援共闘結成1周年集会がかちとられた。
また、「避難・保養・医療」の原則を掲げるふくしま共同診療所の存在と闘いは福島県民と子どもたち、原発労働者や除染労働者のよりどころとしてますます重要になっている。労働者人民の力で守り、発展させよう。
⑸ 三里塚、星野、司法戦線、 国際連帯での画期的な前進
日弁連会長選挙(2月5日)は、安倍政権による日弁連の解体、弁護士つぶし攻撃を4927人の弁護士の団結で打ち砕いた。
「戦争と改憲阻止」「司法改悪を打ち破れ」「裁判員制度はいらない」「弁護士の生活と未来を奪い返せ」「権力や金力に対決する日弁連を」と立候補した高山俊吉弁護士(憲法と人権の日弁連をめざす会代表)は執行部派候補1万2千票に対して4923票を獲得し、安倍政権に対する弁護士とりわけ青年弁護士の怒りを解き放った。
本紙2735号(3月28日付号)のインタビューで高山氏自身が大いに語っているように、「矛盾の根源に迫る闘いをもっとやれていたら勝利できた」という大奮闘であった。執行部派の候補は、自民党幹部の稲田朋美に政治献金をしている自民党同調者である。決定的なことは日本共産党がその候補を全面支持したことである。まさに今日の時代状況、階級的構図を先取りした闘いであった。
弁護士は、新自由主義の「改革」攻撃に対して、動労千葉の「国鉄改革」絶対反対からいち早く学んで決起した戦線である。およそ20年の歴史をその闘いはもっている。
また、救援連絡センターをめぐる攻防に断固決起し勝利した。京大スト弾圧粉砕の勝利を前面に、「完全黙秘・非転向の原則的闘いで団結を守り抜こう」と訴えたことは、完黙の勝利性を一点の曇りもなく明らかにした。この地平を打ち固め、敵の弾圧を味方の団結に転化して闘おう。盗聴拡大、司法取引、証人隠しなどの新捜査手法(刑訴法改悪)を粉砕しよう。
迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧の須賀武敏、十亀弘史、板垣宏の3同志への上告棄却は、無実を承知でのまったく許しがたいデッチあげ弾圧である。革共同は3・18被告団声明を支持し、3同志奪還まで断固として闘い抜く。
さらに、獄中41年の星野文昭同志の闘いと結合し、1月に『星野新聞』の創刊をかちとった。これで1千万人と結びつく星野闘争へ、確かな一歩を踏み出した。星野絵画展が全国各地で開催され、闘いは裾野を広げている。
3・27三里塚全国集会は、三里塚反対同盟50年の闘いと結合して、動労千葉を先頭とする労農連帯の闘いをさらに発展させ、朝鮮侵略戦争情勢下に軍事空港粉砕闘争の死活的重要性を鮮明にした。「第3滑走路粉砕」を三里塚闘争の重大なテーマとして押し出し、周辺住民を組織化し、市東孝雄さんの農地決戦の発展を切り開いた。
国際連帯闘争が大きく発展した。3月31日から4月1日にシカゴで米RWU(鉄道労働者統一委員会)の大会、続いて1〜3日にレイバーノーツの集会が開かれ、日本の動労千葉と、韓国・中国・フランスの鉄道労働者が参加し、戦争突入前夜の新たなインターナショナルとも言うべき国際的団結がかちとられた。
韓国では、民主労総と民衆総決起闘争本部が「戦争絶対反対」を掲げ、4・13総選挙でパククネ与党を惨敗させ、6月ゼネストへ進撃している。さらに4月「外登法・入管法と民族差別を撃つ東西交流集会」―5月沖縄闘争に民主労総の労働者が参加するなど、熱烈な日韓連帯がかちとられている。
1〜4月決戦の地平を打ち固め、7月選挙決戦に進撃しよう。
ーー2/5へつづくーー