南米、労働運動が高まる...8か月間に4か国でゼネスト
南米労働者、増加した富の配分を要求
チョン・ウニ記者 2013.08.06 19:34
南米労働運動の浮上が注目されている。チリ、アルゼンチン、ブラジル、エクアドルの南米4か国で、この8か月間でゼネストが起き、南米労働運動の新しい出現を知らせている。
8月6日、ユンゲヴェルトは「抵抗のための力」という題名で、南米に世紀的な転換期が到来したと伝えた。この記事では1994年にメキシコのチアパスでのサパティスタ蜂起から、土地なし農民と先住民共同体運動が南米のあちこちで組織されたが、労働運動は新自由主義に対する抵抗が弱かったが、今また労働運動は政治の舞台に復帰していると報道した。

▲7月11日、ゼネストを行い道路を占拠してデモをするブラジルの労働者[出処:http://www.argentinaindependent.com/画面キャプチャー]
ユンゲヴェルトによれば、8か月の間に4か国でゼネストが行われた。
アルゼンチンでは、昨年11月20日の労働者ストライキで、ブエノスアイレスで新聞の発行が中断した。公共輸送労働者たちは地下鉄を止め、清掃労働者たちはゴミの回収を拒否した。労働者たちはまた、主要高速道路でタイヤを燃やし道路を封鎖した。高速道路だけでなく、ストライキ労働者たちは主な道路を遮断、デモをした。労働者たちは当時、ゼネストで蔓延しているインフレによる年金の引き上げと所得税の値上げに反対した。
ゼネストはアルゼンチンの2つのナショナルセンターであるCGTとCTAが主導した。彼らは中道派の与党に反対する野党圏だ。アルゼンチンの伝統的な左派はこの数年で5つの異なる組織に分裂した。しかしCGTとCTAにはフェルナンデス大統領を支持する政派もある。
労働組合の指導部はすべて大統領と同じペロン主義に属し、政派はさまざまだ。アルゼンチンでは10月27日の総選挙に立候補する政党と候補者を選出する予備選挙が8月11日に実施される。CGTの代表者であるウゴ・モイアーノ(Hugo Moyano)は 2001年の危機の後、ペロン主義政権の支持者だったが、権力闘争の後に「文化、教育と労働のために」という新政党を立ち上げた。
ゼネストの時、官僚主義に反対する人々のために、あまりペロン主義を支持しない労働運動の代表者たちは街に出ていった。彼らは左派と労働運動陣営と共に選挙に立候補する方針だ。
ボリビアでは5月に15日間の大々的なゼネストが起きた。学校、病院も門を閉め、労働者たちは全国40余の都市で主な道路を封鎖した。工場と鉱山も閉鎖した。主要労働組合のCOBはサンチェス・デ・ロサダ前大統領の年金制度に反対するために今回のストライキを組織した。これは社会主義を指向する政府と労働組合運動の間に起きた初の対立だ。
初めての先住民大統領として選出されたエボ・モラレス大統領は、労働者階層から最も多くの票を得た。しかしCOBは政府からの独立性を維持するために3月に「労働者党(PT)」を創党した。PTにはボリビアで最大のウアヌニ(Huanuni) 鉱山の労働者たちが大挙参加した。
労働者、左派政府と衝突… 富の増加にさらに多くの配分を要求するため
チリでは7月11日にはピノチェト没落後、最大のゼネストが発生し、全国をマヒさせた。ナショナルセンターのCUTは右派のピニェラ政府に反対し、今回のストを組織した。しかしこの数年間、無償教育のために闘争している多くの中高生と大学生も、ストライキに参加した。学生たちは学校と大学を占拠し、警察と対峙した。労働者たちは通りにバリケードを作り封鎖した。合計15万人以上が路上でピノチェト独裁の遺産である新自由主義体制に反対して、デモをした。
ブラジルでは7月11日、ナショナルセンターのCUTがゼネストを行った。すでに数週間で数百万の人々が路上でデモをした後だった。デモ隊は交通費の値上げに反対していたが、すぐに警察の暴力、政治の腐敗とワールドカップやオリンピックに対する過剰予算執行に反対し、デモは全国に広がった。
CUTはデモ隊と同じように、公共交通への投資と交通費料金の値下げを要求したが、年金削減、劣悪な労働条件の問題も提起した。先月のストライキに続き、30日にもゼネストが行われる予定だ。
ユンゲヴェルトはこの10年間、チリとメキシコを除く南米のほぼすべての国家で左派政府が成立し、「裏庭」に対する米国のヘゲモニーを揺さぶったと指摘した。深刻な貧困は、社会福祉プログラムを通じて明確に減少し、特に食料品と天然資源の輸出の拡大で、分配プロジェクトを支援したと伝えた。しかし、左派政権は労働組合と労働運動と衝突し始めた。労働者たちは経済成長により増加した富に対し、より多くの配分を要求しているためだと分析した。