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震災関連死 今も増える現実

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震災関連死 今も増える現実
最終更新日:2013年6月23日
 

地震や津波ではなく、避難生活の疲労などで死亡した「震災関連死」が今も増えています。自民党・高市早苗政調会長の発言に関連して改めて注目されました。死者総数は2500人を超え、「助かったはずの命」との声もあります。その実態と対策に迫ります。
 

原発事故関連死 震災関連死 本県1383人 全国の半数超、半年で262人増 3月末現在

 
 
 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故に伴う体調悪化などで亡くなった本県の「震災関連死」の人数は3月末現在、1383人で、全国の2688人に対し51.5%と初めて半数を超えた。復興庁が10日、発表した。発生から1年以上経過して亡くなったのは129人で、全国の147人の87.7%を占める。原発事故による避難生活の長期化による影響とみられ、災害公営住宅の早期整備が急務となっているほか、認定の在り方も課題だ。
■避難長期化、認定に課題 
 震災関連死の本県の市町村別認定者数と岩手、宮城両県、全国の認定者数は【表】の通り。3月末現在で災害弔慰金の支給対象となった人を集計した。復興庁による集計は昨年9月末に次いで3回目となる。
 本県の1383人のうち、原発事故に伴う警戒区域または計画的避難区域が設定された双葉郡8町村と南相馬市、飯舘村、田村市の11市町村の認定者数は1223人で、全体の88.4%を占める。南相馬市が406人(昨年9月末比70人増)と最多で、次いで浪江町256人(同64人増)、富岡町160人(同41人増)と続く。
 年齢別では、66歳以上が1262人で、県全体の91.3%に上る。
 本県の震災関連死者数は岩手県の3.56倍、宮城県の1.60倍。昨年9月末からの本県の増加数は262人で、全国の68.1%を占めている。
 復興庁によると、震災後の避難生活で体調を悪化させるケースが目立っており、「災害公営住宅の供給を急ぐとともに、仮設住宅での心のケアや孤立防止の取り組みを進めたい」(同庁被災者支援班)としている。
 一方、各市町村などは震災関連死を認定する審査会を設置しているが、震災と原発事故から2年がたち、関連死かどうか因果関係を判定するのに時間がかかっている。
 厚生労働省は審査の参考に新潟県中越地震の際に長岡市が決めた事例を示している。しかし、「6カ月以上経過すると関連死ではないと推定される」など、審査の現場からは「津波や原発事故を伴う東日本大震災にはそぐわない部分も多い」と指摘する声が上がっている。厚労省災害救助救援対策室の担当者は「今のところ事例として示せるものが長岡市ぐらいしかない。審査基準を求める声があれば検討する必要がある」と見解を示した。
■全国で2688人認定 
 全国の震災関連死認定者2688人のうち本県を除く都県別の内訳は、宮城862人、岩手389人、茨城41人、千葉4人、長野3人、山形、神奈川が各2人、東京、埼玉各1人。
 市町村別では、南相馬市406人、浪江町256人、仙台市250人、宮城県石巻市243人など。
 年齢層別では、66歳以上が2396人、21歳以上65歳以下が287人、20歳以下が5人だった。
震災関連死 
 地震に伴う建物倒壊による圧死や、津波による水死など震災の直接的な原因ではなく、震災後の避難生活による体調悪化や過労、自殺など間接的原因で亡くなること。医師や弁護士ら有識者で構成する審査会が因果関係を認めると、直接死と同様に市町村が最高500万円の災害弔慰金を遺族に支払う。避難生活の長期化に伴い、震災や原発事故と死亡との因果関係の認定が難しいケースや、審査基準が明確ではないなどの課題が浮上している。阪神大震災の際には、兵庫県と大阪府で921人が認定された。
 
 
 

【「死者なし」発言】 反省を形で示せ

2013/06/21 福島民報 
 
 「東京電力福島第一原発事故で死者は出ていない」と述べた高市早苗自民党政調会長が19日になって「全てを撤回し、おわび申し上げる」と陳謝した。「あまりにも実情を知らない」との強い批判に抗しきれなくなった形だ。猛省を求めたい。
 発言とその後の対応は与党の政策責任者としての見識や資質を問われよう。菅義偉官房長官ら政権幹部は当初「問題発言ではない」と擁護していた。それだけに、来月の参院選に向けて支持率維持を図る「幕引き」とする見方も強い。撤回やおわびを言葉だけに終わらせず、きちんと対処すべきだ。

 発言は17日に神戸市での講演であった。「福島第一原発で事故が起きたが、それによって死亡者が出ている状況ではない。最大限の安全性を確保しながら活用するしかない」と原発再稼働に意欲を示した。被災地をはじめ与野党から抗議や批判の声が一斉に上がった。高市政調会長は18日には本紙のインタビューで「被ばくによる直接の死者は出ていないという意味」などと弁明していた。

 高市政調会長の原発事故についての認識不足や甘さにあきれる。事故は東日本全体に及ぶ恐れさえもあった。事態がさらに悪化しなかったのは、関係者の命懸けの対応や偶然に恵まれたからだ。
 原子炉内部の様子は今なお分かっていない。地下水流入に伴う汚染水が増え続けている。事故は「進行中」だ。そもそも、被ばくの影響自体が十分に解明されていない。

 3・11災害の大きな特徴は、避難中や避難先で体調を崩したり、命を自ら絶ったりした関連死の多さだ。本県では19日現在、1415人が認定され、被災都県全体の半数以上を占める。特に本県は大半が「原発事故関連死」だ。現在も認定者が増加しており、地震や津波などによる直接死1599人を上回る可能性さえ出ている。

 高市氏は昨年末に政調会長に就いた。野田聖子総務会長と並んで、女性2人の党三役起用は初めてで、参院選をにらんだ布陣とされる。党の政策調査と立案を審議、決定する政務調査会をつかさどる重要な立場だ。復興を進める国の政策も左右する。実態を知っての発言なら論外で、万一知らなかったとすれば、怠慢以前の問題だ。
 安倍晋三首相は高市氏の陳謝後に「辞任は不要」との考えを示した。事故を甘く受け止める人物が復興や被災者支援に関与できるのか。不信が拭えない。任命責任さえも問われる。(鈴木 久)
 
 
 
 
 

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