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[転載]「帰還先にあり」で被ばく線量を隠蔽した内閣府支援チーム、作業員内部被爆量を少なく見積もる東電──なぜ、人の命と健康を最優先できないのか。

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なぜ、こうもいつも隠したがるのか。
 
まず「毎日新聞」25日付の1面トップに「被ばく線量公表せず内閣府想定外、数値高く──福島の3ヶ所」と題した記事。
 
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福島第1原発事故に伴う避難指示の「解除予定地域」で昨年実施された個人線量計による被ばく線量調査について、内閣府原子力被災者生活支援チームが当初予定していた結果の公表を見送っていたことが、毎日新聞が昨年11月に支援チームが作成した公表用資料(現在も未公表)などを入手するなかで分かったと報じた。
 
新型の個人線量計による測定調査が実施されたのは昨年9月。
福島県内の田村市都路(みやこじ)地区、川内村、飯舘村の3カ所(いずれも)で、支援チームの要請を受けた日本原子力研究開発機構(原子力機構)と放射線医学総合研究所(放医研)が行った。
田村市都路地区や川内村東部は「避難指示解除準備区域」で、政府は4月1日に田村市都路地区の避難指示を解除することになっており、また川内村東部も来年度中の解除が見込まれているという。
 
関係者によれば、それぞれ数日間にわたって、学校や民家など建物の内外のほか、農地や山林などでアクリル板の箱に個人線量計を設置するなどして線量を測定。データは昨年10月半ば、支援チームに提出された。
一般的に被ばく線量は航空機モニタリングで測定する空間線量からの推計値が使われており、支援チームはこれと比較するため、生活パターンを「屋外8時間・屋内16時間」とするなどの条件を合わせ、農業や林業など職業別に年間被ばく線量を推計している。
 
支援チームは当初、福島県内の自治体が住民に配布した従来型の個人線量計の数値が、航空機モニタリングに比べて大幅に低かったことに着目した。関係省庁の担当者のほか、有識者や福島の地元関係者らが参加する原子力規制委員会の「帰還に向けた安全・安心対策に関する検討チーム」が昨年9~11月に開いた会合で調査結果を公表し、被ばく線量の低さを強調するつもりだったらしい。
 
ところが、当初の想定より高い数値が出た。
特に大半が1ミリシーベルト台になると想定していた川内村の推計値が2.6~6.6ミリシーベルトと高かったため、関係者間で「インパクトが大きい」「自治体への十分な説明が必要」などの意見が交わされ、特に「住民の帰還を妨げかねない」との意見が強まったために検討チームでの公表を見送ったという。
 
その後、原子力機構と放医研は支援チームの再要請を受けて、「屋外8時間・屋内16時間」の条件を変え、NHKの「2010年国民生活時間調査」に基づいて屋外時間を農業や林業なら1日約「6時間」に短縮するなどして推計をやり直し、被ばく推計値を低く抑えた最終報告書を作成し、支援チームに今月提出した。
支援チームは近く3市村に示す予定だというが、住民帰還を強引に促す手法が批判を集めることは必至といえそうだ。
 
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しかし、支援チームの田村厚雄・担当参事官は、検討チームで公表するための文書を作成したことや、推計をやり直したことを認めた上で、「推計値が高かったから公表しなかったのではなく、生活パターンの条件が実態に合っているか精査が必要だったからだ」と調査結果隠しを否定している。
 
これに対し、独協医科大の木村真三准教授(放射線衛生学)は「屋外8時間・屋内16時間の条件は一般的なもので、それを変えること自体がおかしい。自分たちの都合に合わせた数字いじりとしか思えない」と指摘する。
 
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一方で、原発作業員の受難について書く今朝の朝刊各紙。どれも取り扱いは小さい。「朝日」では「被爆量142人過小評価 福島第一作業員 厚労省、記録修正」との見出し。
 
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厚生労働省は25日、2011年3~4月に福島第1原発事故の緊急作業にあたった作業員約6千人の内部被曝(ひばく)線量を見直した結果、142人の線量が、東電が算出した数値より高かったと発表した。作業員の被曝限度はがんの発症リスクが高まるとされる5年で100ミリシーベルトだが、うち1人は被曝線量が89.83ミリシーベルト増え、この値を超えていたという。

これも、東電の作業員の中に厚生労働省が求める方法でない計算手法によって、被ばく線量が算出された人がいたことが判明。作業員が安定ヨウ素剤を服用した際に必要な線量の加算を、東電が怠っていたり、被爆量を少なく見積もっていたケースなどが見つかったことから、同省が見直しを進めていたという。


被曝線量の見直しを巡っては、過去にも昨年7月に、今回と同様に厚労省の求める方法とは違った算出方法を使ったとして、同原発で働いていた479人の被曝線量を修正、452人は本来よりも少なく記録されていたという。
 
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あまりにひどい。
調査結果を隠したうえ、住民が通常屋外にいる時間を短く見積もるなど条件を強引に変更することで線量を低く推計し直し、「帰還しても大丈夫」とする。原発の作業員に対しても国が定めた方法と違う算出方法で「作業しても大丈夫だから」と仕事をさせる。
これではたまったものではない。
これまでも、たびたび政府や東電によって、原発内の事故や放射能汚染の実態など、真実が隠蔽され、捏造されてきた。
 
原発事故を軽く見せるため?政府や東電の責任を軽くするため?
原発再稼動への批判を少なくするため?
賠償金支払いを少なくするため?
政府や県の望む“復興”や“帰還”を早めるため?
 
人の命と健康があまりに軽く、ぞんざいに扱われてやしないだろうか。
 
重大事故が続いたJR北海道では、レールの検査データーが改ざん・捏造された問題では今年初めに国土交通省が「監督命令」を出し、JR会社法に基づいて「事業改善命令」も出した。また、JR 北海道側も33 部署で改ざんの疑いがあるとし、5人を解雇、75人を処分している。
 
原発事故は、その比ではないはずだ。それ以上に厳しい対応が求められるのではないだろうか。
 
また、メディアも何をやっているのか。
「STAP細胞」開発のデーター転用・捏造問題や、慰安婦問題や韓国問題については、毎日、毎週「まあ、よくこれだけの材料が出てくる」と関心するほどの過熱報道が続いている。
しかし、原発問題については、そこに被ばくと向き合う住民がいて原発作業員がいて、当事者がいるにもかかわらず、そして、人の命と子どもたちの健康と将来がかかっているのにもかかわらず、突っ込もうとしない。
 
事故から3年たっても何も変わらないのでは困る。
政府やメディアが、その社会的使命と責任をしっかり果たすよう、しつこいくらいに国民の声を届ける必要がある。
 
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転載元: TABIBITO


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