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とにかくスケールの大きさにびっくり~韓国「全国労働者大会」参加報告

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とにかくスケールの大きさにびっくり~韓国「全国労働者大会」参加報告

    尾澤邦子


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 11月9~12日、韓国へ行ってきた。長年交流を続けている仁川地域の労働者や、一昨年 来日し日本本社に対して解雇撤回を求めて闘った韓国サンケン労組と交流し、民主労総の 全国労働者大会に参加した。また、来年の3.1朝鮮独立運動100周年に関するDVD制作の映 像撮影も開始した。

 金浦空港に迎えに来てくれた民主労総仁川支部の方が最初に案内してくれたのは、仁川の 公共運輸労組南洞区都市管理公団支部。南洞国民体育センターにある支部事務所で36歳の事務局長が待っていた。仁川市南洞区が100%出資して作った地方公企業で、体育館や水泳場、公園、区の施設や環境管理などで働く労働者を組織している。

2009年体育センターでの解雇問題を機に、正規職で当時所長だった現支部長と、コーチの現事務局長が中心となり、97%の契約職や短時間労働者などの非正規職を組織した。そして団体交渉やストライキで135名の正規職への転換を勝ち取ってきた。事務局長は、地域の人々の信頼と支援がとても力になったと話していた。


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 次の訪問への途中、プピョン公園にある日本の植民地時代に徴用され苦労した労働者を象 徴した徴用労働者像を見学した。民主労総仁川地域本部前委員長のキムチャンゴンさんは 「植民地時代に被害を受けた多くの労働者の問題は、政治的というより人権問題だと思う 。今も続く問題の解決のために、韓日の良心的な人々が努力してきている。現在日本政府がとっている態度はまちがっていると思う」と話した。

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 車窓から道路に沿って壁にずらりと労組の横断幕が張られているのが見えた。韓国GM社だ 。正門前にはテントがふたつ張られていた。車を降りテントを訪問した。非正規職労組の ファンホイン委員長からあいさつがあった。

「景気が悪くなるとまっ先に解雇されるのは 非正規職。年末までに100人くらい切られる予想。正門前で280日以上座り込みを続けているが会社は私たちを認めようとしない。韓国政府労働部からは不法派遣だと言われているし、裁判所からも正社員に登用しろと命令が出ているのに会社は従わない。私たちは労働者の権利を守るために最後まで闘う」と話した。

隣のテントは、正規職で非正規の労働者と共に闘う労働者が籠城していた。
近くにある韓国GM現場組織「民主勢力統合推進委員会 (民推委)」の事務所に移動し、懇談会を行った。夕食に食べたカキがとてもおいしかった!

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 10日午前は、ソウルの民主労総全国金属労組の会議室で韓国サンケン分会との交流会を行った。オヘジン分会長から会社復帰後の状況について報告があった。

「会社は労組を認めず、交渉もうまくいかなかったが、今年8月頃から態度が変わってきた。日本本社から労組とうまくやるように言われたようだ。2018賃金交渉はうまくいって調印式も行った。前分会長のヤンソンモさんが喉頭がんで治療中だが、地域の人や金属労組で支援している。 日本からも応援のメッセージやカンパをいただいた」と話していた。


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 指導委員のキムウニョンさん(写真上)から「情勢と労働運動の方向と課題」について話してもらった。

ウニョンさんは「日本の侵略の歴史は、過去の問題ではなく現在進行形だと捉えている。その国が進むためには、過去の歴史と真摯に向き合わなくてはならない。韓国や日本でアメリカ軍を追い出し、北東アジアにおける平和を確立するためには、日本と韓国の労働者・民衆が力を合わせなければならない」など話した。

またムンジェイン政権については「親米政権で生活でも政権の限界が見えてきた。アメリカに引っ張られることについてはきっぱり批判していく。幻想を持つのはよくない」と話していた。

 ムンジェイン政権になって変わったことは、今まで行けなかった青瓦台(大統領官邸)の近くまで行けるようになったことだと韓国の友人が言っていた。ソウルはすっかり秋で 、紅葉がとてもきれいだった。


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 11月10日午後、韓国GM労組のキムチャンゴンさんや韓国サンケン労組のキムウニョンさ んらに案内していただき、金属労組の事務所から青瓦台、光化門を経由して労働者大会の会場まで歩いた。金属労組や建設労働者、女性労働者、非正規職労働者など、あちこちで事前集会が行われていた。私たちはデモで会場に移動中の非正規職労組の隊列に入って一緒に行進した。横断幕には「言葉だけの正規職転換、もうだまされないぞ」と書いてあっ た。

会場は人、人、人の波、全国から参加した労働者6万人が光化門交差点から市庁方向 まで道路を埋め尽くしていた。


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 午後3時から「積弊清算!労組活動の権利!社会大改革!11.21ゼネスト宣言!全泰壱烈 士精神継承2018全国労働者大会」が始まった。とにかくスケールの大きさにびっくりする 。

メインステージにはクレーンで吊り上げた18個のスピーカーとドデカいスクリーン。集 会場の要所要所には、ステージの様子を伝える音響とスクリーンが大きなトラックに据え 付けられている。音響の凄さが身体の中に響いてきた。ステージで歌う文化宣伝隊約50人 は一人一人マイクを持つ。モニターの数も半端ではない。

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 オープニング映像に続き、金属労組双龍車支部長、鉄道労組前KTX列車乗務支部長、金属労組カブルオートテック分会長が3人で開会を宣言。組合旗入場、連帯あいさつ、映像 、ダンスのあと、現在高空籠城で闘うファインテック労組とタクシー労働者がテレビ電話で話した。

民主労総のキムミョンファン委員長(写真上)は「民主労総は今、ILO核心協約批准と労働法改定、国民年金改革と非正規職撤廃のための社会大改革11月ゼネストを始めている」 とあいさつした。

ゼネスト決議文が読み上げられ、デモ行進に移った。道路いっぱいに広 がるデモ行進に、労働運動の力、労働者の力強さを感じた。




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