改憲阻止・軍事空港粉砕の今秋決戦に全力で立とう
10・14全国総決起集会への結集を呼びかける


市東さんの農地強奪強制執行との闘いがいよいよ決戦・激突局面へと突入している。強制執行を阻んできた請求異議裁判は次回9月27日で結審となり、早ければ年内判決がもくろまれている。安倍政権は、自ら掲げる改憲スケジュールと一体で、市東さんの命の農地を奪い、首都圏における空港機能強化を推し進め、三里塚勢力を一掃し、改憲・戦争への道を掃き清めようとしている。この決戦を市東さんはじめ反対同盟と固く団結して闘いぬき、必ずやこの攻撃を敵の墓穴に転化し革命の突破口を切り開こう。「強制執行反対」署名を武器にあらゆる闘いやりきり反動判決を絶対に阻止しよう。9・3耕作権裁判から9・27請求異議裁判―10・14三里塚全国総決起集会の大結集へと攻め上ろう!
労農連帯基礎に
改憲阻止決戦は、安倍の9条改憲攻撃を打ち砕き労働者・農民の労農連帯を基礎に労働者権力の樹立を準備する闘いだ。三里塚闘争は、国策・国益の名のもとに農地を取り上げる攻撃に対し、命を育む農民は農地を武器に、命を運ぶ労働者は鉄路を武器に、命を奪おうとする国家権力打倒へ向け実力で闘いぬいてきた。
巨大空港建設=成田をアジアにおけるハブ空港・軍事空港にしたいという日帝の死活をかけた野望を粉砕し、半世紀以上その完成を阻み続けている。
強靭で粘り強い闘いによって成田空港建設における事業認定は失効、空港公団(現NAA)は収用裁決申請を自ら取り下げざるを得なくなった。土地強奪の伝家の宝刀と言われた土地収用法の成田空港建設における適用を完全に粉砕したのだ。動労千葉と反対同盟の強固な労農連帯を軸に、「労働者・農民は闘っても勝てない」という権力万能神話を打ち砕いてきたのだ。
三里塚闘争は戦後階級闘争における金字塔として、現在もあらゆる闘いを根底で規定している。戦争・改憲阻止の砦として全人民に勇気と希望を与え、国境を越えた共感を生み出している。
反対同盟は、農地強奪の最高裁決定が出ようが、4者協(国・NAA、県・地元市町の首長)で空港機能強化策の合意がなされようが、みじんも動揺することなく、「闘魂ますます盛んなり」「闘えば必ず勝つ」と胸を張って全国・全世界に闘いを呼びかけている。それは、勝負は裁判所や国会で決まるのではなく、支配階級との階級的な力関係で決まるということを熟知し、必ず人民は闘いに立ち上がると確信しているからだ。
実力闘争の思想
安倍政権は成田空港を朝鮮侵略戦争の米兵50万人の受け入れ兵站(へいたん)拠点として位置づけ、そのために農民が代々耕し続けてきた農地を無慈悲に奪う姿勢をあからさまにしている。
このことは成田だけの問題ではない。安倍政権が農業破壊を推し進め、改憲・戦争へと突き進もうとする中で、反対同盟が貫いてきた「一切の話し合い拒否=軍事空港絶対反対、農地死守、実力闘争」の闘争原則はますます光り輝く。
実力闘争とは支配者に自らの手で立ち向かっていく思想であり、政治を人民大衆のものへ取り戻していくということだ。改憲派の掲げる国益論に対し、自国帝国主義打倒を掲げ実力で闘ってきた三里塚と共に改憲阻止決戦に勝利しよう。
百聞は一見に如かず。青年・学生は職場・キャンパスの仲間と共に三里塚現地に駆けつけよう。現地では、決戦本部を先頭に援農・現地調査(フィールドワーク)、天神峰カフェなど万全の受け入れ態勢を取っている。市東さんの農地を守り抜く強固な陣形をつくろう。
改憲阻止・安倍打倒の砦 三里塚へ
10・14全国集会に集まろう
反対同盟が決戦アピール
「この農地守り闘いぬく」
10・14三里塚全国集会まで残り1カ月を切った。三里塚芝山連合空港反対同盟と支援連絡会議はこの間、集中的に情宣活動に全力で立ち上がっている。反対同盟の市東孝雄さん、萩原富夫さんからのアピールに応え、市東さんの農地強奪強制執行反対署名と集会・デモへの結集を一人でも多くの仲間に呼びかけよう。反対同盟と共に歩んで41年。本紙は今号で1000号を迎えた。これからも、ますます三里塚闘争勝利に向けて邁進する。
最高裁決定覆す決意で
敷地内天神峰 市東孝雄さん
全国のみなさんの日ごろのご支援に心から感謝します。
私の農地をめぐる農地法裁判は最高裁で不当にも上告が棄却されましたが、請求異議の裁判を起こし、農地取り上げの強制執行を1年数カ月にわたって阻止してきました。その裁判がいよいよ結審を迎え、判決が出されようとしています。
祖父・市太郎がこの天神峰で農業を始め、父・東市が過酷な戦争を体験し、空港反対運動を生涯貫いて守ってきた3代100年続く農地です。
あとから来た空港が私に「農業をやめて出て行け」などという資格は、まったくありません。お金を積めば出て行くだろうというのは、農民を愚弄する考えです。
NAAが明け渡しを求めている土地は、耕作権裁判も合わせて1万3千平方㍍以上、私が耕作する農地の73%です。これを取られるというのは、農民としての自分の命が取られることです。
NAAは自分で「強制手段をとらない」と公約しておきながら、それを踏みにじろうとしています。NAAは父には無断で旧地主から底地を買収し、十数年もたって突然、所有権はこっちにあるから明け渡せと言い出しました。しかし、裁判の中で明らかになったのは、空港公団=NAAの不正・違法、脱法の数々でした。自分のつごうに合わせて「証拠」を偽造し、つごうの悪い文書は隠す。こんなデタラメを絶対に認められません。
9・27請求異議裁判の最終意見で、すべての思いのたけを述べます。最高裁の決定をひっくり返す決意です。
有機農業、産直運動で一番肝心なのは、消費者にうそをつかないことです。化学肥料・農薬は一切使わず、堆肥は鶏糞、豚糞などを発酵させてつくり、旬の野菜を届け、消費者の健康・安全に責任をもつ。これこそ自分の生きる道と確信してやってきました。私はこの農地を耕し続けます。
私が直面している問題は、けっして私一人のことではありません。すべての労働者・農民・住民にかけられている攻撃です。
沖縄・福島と連帯し、動労千葉をはじめ闘う労働組合との団結を強め、「国策」の名で命と生活を脅かす攻撃を打ち破ります。周辺住民とともに空港機能強化を阻止します。改憲と戦争を進める安倍政権を倒しましょう。
10・14全国集会に、みなさんが多くの仲間を誘って参加されることを心から願っています。
農業切り捨て許さない
敷地内東峰 萩原富夫さん
市東さんの農地をめぐる請求異議裁判は、いよいよ結審を迎えようとしています。農民の生きる権利、耕作者の権利を踏みにじる多見谷判決、それを認めた最高裁の上告棄却に対し、その執行の中止を求めてこの裁判を闘ってきました。
実際、確定した判決の執行を2年近くにわたって阻んできたというのは、かつてない地平だと思います。それ自身が重大な勝利と言えます。それは根本的には、市東さんの農地を強奪して空港にするという攻撃があまりにもデタラメで理不尽で反人民的な行為だからです。それに対して、われわれの側には農民が自分の農地を守るという揺るぎない大義がある。
だからこの裁判に、絶対に勝つという気持ちで挑んでいます。農地は農民のもの、国が暴力で取り上げることは許さないという一貫した闘いの正義を、ますます多くの人びとに拡大しなければと思います。
芝山町、横芝光町など空港周辺の住民が、機能強化、騒音拡大、第3滑走路建設に対して、次々と怒りと抗議の声を上げています。反対同盟はこれに連帯してともに闘います。反対同盟がこれまで60回を数える一斉行動で住民にまいてきたビラの数だけでも、10万をゆうに超えます。今年に続き、来年も芝山町縦断デモを敢行したい。これが住民への大きな激励となると確信します。
今、B滑走路北延伸工事のためのボーリング調査が開始され、またA滑走路での飛行時間延長のための騒音地域住宅の内窓設置をNAAがやると宣伝しています。住民は全然納得していない。地域、農業、自然を空港なんかに押しつぶされてたまるか、という意気込みで住民との連帯を作っていきます。
今安倍は、改憲・戦争政策に血道をあげています。そして、食糧は外国からどんどん輸入すればいい、経営が立ち行かない中小の農家はつぶれればいい、という姿勢を隠そうともしません。農家は深刻な経営危機と後継者不足に悩んでいます。本来国家は自国の農業を保護するのが当たり前だ。逆に安倍は自動車産業の利益のために、農業を売り渡した。農民の矜持(きょうじ)にかけて、安倍の農業つぶしと改憲・戦争を許さない。
10・14はそのことを宣言し、ともに確認する場です。どうかみなさん、闘いの中でつくられた三里塚の野菜を食べてください。そして10・14に大結集しましょう。