子どもたちと青年の未来を戦争で奪うな!
9・24神奈川教育労働者集会報告版
9 月24日、50名を超える教育労働者の呼びかけた神奈川教育労働者集会に、会場満杯の140名もの方が、ご参加いただきました。、安倍政権の改憲と戦争への道を許さないという強い意志があふれています。沖縄県知事選の自民党惨敗も、それを示しました。新文科大臣の "「教育勅語」活用 " 暴言など、学校と教育は大きな焦点です。
この集会を出発点に、今こそ、学校、教職員組合、地域から「改憲絶対反対」の大きなうねりをつくりましょう。11月4日には、1万人規模の参加を目指す改憲阻止集会も開催されます。ぜひご参加ください(2Pにポスター、4Pに要項掲載)。
「戦争は教室から始まる」
基調報告 野本三吉(元横浜市教員・ノンフィクション作家)
会場一杯の皆さんに来ていただき、胸が熱くなっています。今日の集会のテーマを「子どもたちの未来を戦争で奪うな」としました。これから子どもたちが大人になり、次の時代を担っていきます。子どもたちの状況とは、次の新しい時代をどうつくるかということです。
会場一杯の皆さんに来ていただき、胸が熱くなっています。今日の集会のテーマを「子どもたちの未来を戦争で奪うな」としました。これから子どもたちが大人になり、次の時代を担っていきます。子どもたちの状況とは、次の新しい時代をどうつくるかということです。
安倍首相の自民党総裁選三選で、一気にいろいろなことが始まるでしょう。しかし、私たちはその軸に子どもの問題、あるいは未来の問題をすえようということです。大きな課題です。だから、教育労働者を中心にしてこそ、運動が幅広く広がるのではないかと考えています。
310万人の死者の悲しみと怒り 私は1964年から68年、横浜市で小学校の教員をやっていました。1960年安保闘争の余韻があり、「ベトナム戦争反対」の声があがります。
あれから年月を経ましたが、本来ならもっと豊かになるはずの日本の現状、子どもたちの実態、先生方の生き方などが、逆に非常に厳しくなっています。
一番の原因は、明治維新での「富国強兵」策以来、経済的豊かさを追い求め続け、経済戦争から軍事的対立へと行き着いたことにあります。「ともに生きる」という思想ではなく、「自分たちだけが豊かになろう」
というぶつかり合いが、第二次世界大戦となって多くの犠牲を出しました。
僕も3歳の時に東京大空襲にあいました。僕の家族も含めて12万人の人が犠牲になります。この戦争で、日本だけでも310万人が亡くなっています。
再びものが言えない時代へ
こういう大きな犠牲に向きあい、「主権在民」「基本的人権の尊重」「戦争放棄」という3つの柱を掲げる新憲法が生まれ、一人ひとりが社会の主人公になっていこうとする時代が始まりました。
しかしその中で、自衛隊が生まれます。朝鮮戦争下の1950年、警察予備隊が始まりです。この時、教師たちは時代の変化を敏感に感じ、動き出します。日教組が「教え子を再び戦場に送るな!」のスローガンを採択するのも1951年です。こういう教師を、ものを言わないようにしようと、勤務評定がつくられました。いわゆる「勤評」です。
教師を評価し、管理することが狙いです。
教師が自由にものを言えることが、戦争への時代を止めることだ、「勤評は戦争の一里塚」と教師たちは反対しました。
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自衛隊発足から始まった管理体制が今、教師たちがさらにものの言えない時代を到来させています。このなかで、教師も息苦しくなります。それを受けて、子どもたちも学校が楽しくなくなり、不登校、ひきこもり、非行、いじめなどの問題も起きる。人間として豊かに生きようとすることができない状況が続いています。
子どもたちの命と向き合う教育を
自衛隊発足から始まった管理体制が今、教師たちがさらにものの言えない時代を到来させています。このなかで、教師も息苦しくなります。それを受けて、子どもたちも学校が楽しくなくなり、不登校、ひきこもり、非行、いじめなどの問題も起きる。人間として豊かに生きようとすることができない状況が続いています。
子どもたちの命と向き合う教育を
本来、教師という仕事とは、子どもたちの命、その豊かな命を受け止め、育てることです。命には3つの要素があります。1つ目は、一つも同じではないという前提で、一つひとつの命と向きあわなければいけないということ。2つ目は、命とは自ら生きていく力をもっているのであり、指示や強制ではなく、育てていくもの、また必ず自ら育つものだということ。3つ目に、命とは、命と出会うことによって豊かになるということ。こうした立場で、今の教育を、もう一度再編成しなおさなければいけない。教師がもう一度、子どもたちの命と向き合いながら、自分たちの本音を主張していかなければなりません。
安倍政権の改憲案では、憲法に自衛隊を明記しようとしています。これが決まると、教室の中で、自衛隊の問題が合法化されます。いやだと言えば、「憲法違反」となるわけです。
卒・入学式での「日の丸・君が代」も、かつては強制ではありませんでしたが、今や処分が当然です。憲法への自衛隊明記は、自衛隊という世界中が認める軍隊を、教室に持ち込むことになるわけです。
この時に、黙っていていいのかということです。
子どもたちを、再び戦争に送るような時代がくる
かもしれないという大きな状況に来ています。
改憲・戦争への道を阻もう
戦争が行われる前の一番重要な問題は何かというと、一人ひとりが自分の本当の気持ち、自分の思いを言えなくなる、自由に発言ができなくなることです。これが始まった時に戦争が始まる。教室の中で、子どもたちが自由に、つらいこと、嬉しいこと、悲しいこと、全部みんなで話し合う。
先生もそれを受け止め、先生のつらいことも話す。
それが今、できるかどうかの瀬戸際です。
この集まりをきっかけに、僕自身も、声をあげ、子どもたちと一緒に、自由にものが言え、生き生きと生きられる時代をつくりたい。そのために行動したい。今日、それが始まりました。一人ひとりが本気の声をあげ、新しい時代のために、今の改憲と戦争への道をなんとしても抑えていきましょう。これが、僕らの果たすべき役割だと思います。みなさんと一緒に、第一歩を踏み出したいと思います。
■連帯アピール 根津 公子さん
元東京都教員、「日の丸・君が代」被処分者
教員は、しっかり事実と自分の考えを、子どもたちと保護者に伝えること、そして職員会議でしっかり資料を提供して論議をおこすこと。
教員は、しっかり事実と自分の考えを、子どもたちと保護者に伝えること、そして職員会議でしっかり資料を提供して論議をおこすこと。
私はこれらが一番大事だと思うんです。とくに東京では「10・23通達」から10数年を経て、子どもたちが「教員は教育委員会の言うことを聞くものだ」とまで言い出しています。そこまで簡単に変わるんです。
不起立すれば処分となる。私が、あえてそれをしたのは、子どもたちに真実を知らせる必要があると思ったからです。一人がたちあがれば、次の人が絶対にたちあがります。
■連帯アピール 北村 小夜さん
障害児を普通学級へ・全国連絡会世話人
私は1925年、治安維持法が公布された年に生まれました。私を教えてくれた先生たちの中には、批判的なことも言う先生もいました。
私は1925年、治安維持法が公布された年に生まれました。私を教えてくれた先生たちの中には、批判的なことも言う先生もいました。
だけど総体として国の流れに逆らうことができなかった。今、子どもたちが、その時と同じような環境にあることに大変な危機感があります。
道徳について、子どもの心、子どもの道徳心を学校という「公」が測ろうというわけですから重大事件です。これを私たちが受け入れたことは大問題だと思います。
元文部官僚の前川さんが書いた『面従腹背』という本の中に、卒・入学式での「日の丸・君が代」について「歌いたくない教師は外形上、職務命令に従う面従腹背をお勧めするしかない」と書いてあります。
かつて私たちを教えてくれた先生、戦争に反対でも国に従っていた人たちと同じです。こうして戦争が成り立っていくわけです。恐ろしいことを言う人だと思いました。
たいへんな世の中になってきているわけですから、もう一息、知っている、本当のことを言い続けなければいけないと思っています。
■リレーアピール 長谷川 孝さん
相模原の教育を考える市民の会
元毎日新聞記者・元月刊『教育の森』編集者
「未来」どころか、子どもたちの「現在」が奪われています。僕らは、子どもたちの「現在」と向き合わなければいけません。
元毎日新聞記者・元月刊『教育の森』編集者
「未来」どころか、子どもたちの「現在」が奪われています。僕らは、子どもたちの「現在」と向き合わなければいけません。
今進行しているのは、一つは道徳教育が始まったことです。、もう一つは教育内容の実用主義化が進んでいることです。これは能力主義や生産性主義と直結しています。
学習指導要領に定めた 22 の道徳の徳目を子どもたちに教え込んでいる。明治に作られた教育の考え方です。子どもたちの自立的な学びを支え、励ますような教育に変えていかなければいけません。
しかし、現実は全く逆に、教える側が「こういうことをさせたい」「こういうことを教えたい」、果てに「こういう人間にしたい」という方向に教育がどんどん傾いていっています。このことをしっかりと訴えていかないといけない。
今後、一緒にやっていきたいと思っています。
■岩崎ゆかりさん (横浜市職員・自治労横浜)
西日本豪雨災害での甚大な被害は、単なる自然災害ではなく、「平成の大合併」、民営化の結果です。氾濫した河川も事前に危険だとわかりながら、何にも手をつけてこなかった人災です。
役所や学校は地域の拠点です。ここで働く労働者や先生がたちあがったら、地域の人たち全員で戦争をとめる大きな運動ができることを共有しようと、今日ここに参加しました。
「働き方改革」は戦争への道です。安倍の改憲は 9 条だけの問題ではありません。私たちの手で命を守る社会をつくり、対抗しましょう。鍵は労組の団結です。
■小平大介さん(郵便局に勤務・JP労組)
改憲=戦争は労働組合の破壊です。逆に言うと労働者が団結して闘えば、すべてを変革できるということです。今の延長線上にしか未来はないので、今やってることが一番大事になってきます。労働者が団結すれば国が変わると確信しています
●事務局から
◆安倍改造内閣は、極右・日本会議がほぼ独占しました。改憲突進シフトです。「(改憲を発議できる)3分の2(の議席)があるいま突っ込むしかない」(安倍側近議員、1『朝日新聞』・10月 3 日)というのです。
◆「敵基地反撃能力を」(総裁特別補佐・稲田朋美)や、教育勅語は「普遍性をもっている」(文部科学大臣・柴山昌彦)など、辞任に値する発言が早速出ています。これは単なる暴言ではなく、沖縄県知事選での大惨敗を、今度は力づくでねじ伏せようとする、安倍政権の強い意志の現われです。
◆このひと月が決戦です。1万人結集を目指す11月4日の「改憲阻止!大行進 & 労働者総決起集会」(11月4日・日曜日、正午、日比谷野外音楽堂、15時デモ出発)は、沖縄の勝利に続き、安倍政権をた
おすための大集会です。ぜひ職場、家族、地域からお誘いあわせのうえ、ご参加ください。
アメリカからは、ストライキにたった教育労働者が参加します。
「命より金」は世界共通。教科書も更新されず、「物乞い」で教材費なを賄う教員も出る劣悪な教育条件・労働条件への怒りが全米教員ストとなりました。
コスト削減のために非正規労働者を多用し、つにに定数も埋められない、日本の学校も同じです。
◆「改憲・戦争阻止!大行進」神奈川実行委員会(準)をたちあげます。改憲を許さない大運動を一緒につくりましょう。11・4集会参加希望や様々な問い合わせは、お気軽に下記の事務局(品川)までご連絡ください。(文責・事務局)