関西生コン労組の自動車パレード
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関西生コン労組の集会
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パレードに参加する生コン車
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関西生コン支部・武建一委員長を釈放せよ! その②
『関西生コン支部・武建一委員長を釈放せよ! その①』からの続き
「韓国の闘いへの感動を実践に生かせ」
-韓国の民主労総がゼネストをやって、それが今度のろうそく革命につながっていったという経過を見たら希望が湧きますね。労働者の闘いが核になって全人民的な闘いを実現し、パククネを打倒しました。
韓国の場合、民主労総とわれわれは交流を続けているんですが、日本流のやり方をやってきたんですね。ですから、雇用関係についても、トラックの場合で言えば、個人持ち制にするわけです。要するに「事業主」にして労働者性をなくす。そうすると、荷主とか大手が君臨していて、大手からすると、「雇用関係ではないんだ」「だからお前らは自分で持っている事業主だから、個別に、お前ら自身の自己責任だ」「賃金が低いとか、労働条件が悪いとかは、自己責任だ」と、こうきたんですけどね。
しかし韓国の仲聞は、「違うんだ、重層的な支配構造の中で、一番生産に従事している側の方、この生産に従事している方がなかったら大企業は存立しない。だから、この個別分断政策に対して、それを組織し横のつながりを強め、連帯して、大手に雇用責任を求めて闘っていくという運動が建設、生コン、トラックという分野で未組織をずーっと組織していった。
そしてしかも組織するだけではなくて、弾圧されても、差別されても徹底的に闘うんですね。
時には焼身自殺という、日本の労働者からすると、それだけ勇気をもってやる人たちがいるというのは、「すごい、韓国の人たちは、言葉で言うだけでなく、行動で表すな」と。
高い塔に上って行って、そこを占拠して闘う、ああいう人たちが、潜在的な民衆の力を引き出すんですな。そして民衆がまた、そういう仲間の犠牲を自分の血肉にして、それであきらめないですね、粘り強いですね。それは今の沖縄の仲間に共通しているんですが、韓国の仲間たちは、ものすごい。戦闘的に闘い、しかも国際連帯という旗を掲げて、動労千葉の仲間と共闘したり、11月集会に参加してみたり、そういう階級性が強いですね。
しかも、日本では共和国がいつ攻めるか分からないと慌てているんですが、韓国の闘う労働者は、同じ民族同士が対立して戦うんじゃなくて、共通項を見出そうという立場ですからね、労働者にとって国境はない、労働者階級は国境を越えて団結し闘わにゃいかんという国際主義的な観点が非常に強いですね。
そこが韓国の労働者の強いところではないですかね。われわれ学ばなきゃならないところがいっぱいある。
われわれの仲間2人が1年半ほど留学に行ったんです。今でも韓国に代表団を派遣するんですが、行くたびに感動して帰るんですね。「感動して帰るだけではだめだ、その感動を実践に生かせ」(笑)と言うんですけどね。
労働組合主導で生コン価格を上げる
-その実践ということですけど、支部は4カ月半の大ストライキを闘われて、にもストライキをやられたわけですね。
この闘いはどういう闘いだったのか、何を求めてどのように闘われたのか、ということをお話しいただけませんか。
2010年の4カ月半のストライキは、大阪駅前の開発の工事を完全にストップしたんです。この時の要求は、生コンクリート製品が安く買いたたかれて、生コン産業はもともと95%以上が中小企業なので、中小企業がそれによって立ち行かなくなって、賃金引き上げができにくい、あるいは雇用確保、労働条件の維持向上が困難になるということから、生コン価格の引き上げを目的にした4ヵ月半のストライキだったんです。
これは、大手ゼネコンの大林とか大成とか清水とか鹿島、大手が価格の引き上げをOKした。売り価格が現実に1立米(立方メートル当たり)1万6800円ですから、当時の売り価格より5000円以上上がったんです。それで終結したんです。
ところが、当時セメントメーカーは、労働組合主導型で生コンの値段を上げていくと、労働組合の影響力が生コン関連のみならず、日本の中小企業が圧倒的多数(事業者数で言えば中小企業が99・7%)ですから、関生型運動が他の中小企業に一気に広がる、という危険性を感じているわけですね。
それで今度は、「値上いいんだ」ということで、合意している内容を全部ひっくり返したんです。
それで、そういうことに対して労働者は抗議します、それを口実にして、「威力業務妨害」と称して警察を導入し、われわれの仲間を20人近く逮捕したんです。今問題になっている宇部興産の関連会社の関西宇部という会社です。もともと宇部興産は90年代から不正をやっていたことを最近暴露された、とんでもない会社なんです。
集団的労使関係として、春闘で交渉する時は、労使関係のある所は全社が寄ってきて、歴史の古い新しいは関係なく、集団で交渉し、そこで集団で決めた労働協約に拘束されるというやり方をするんです。それをつぶすためにその関西宇部が弾圧を加え、一方セメントメーカーとしては、大阪兵庫生コン経営者会(生コン企業が結集する対労窓口、集団交渉の当事者)をつぶすために、セメントの直営工場12工場を経営者会から集団離脱させるわけです。
経営者会をつぶして集団交渉をつぶすためにそれを実行したんです。
ところが、われわれは集団交渉を成功させるために、近畿2府4県の申小企業に呼び掛けて、経営者会を守り、集団交渉を守るために、それでセメントメーカーの策動はその点では失敗したんですが、しかしいったん値上げしているのが、ゼロになったんです。4カ月間の成果を奴らはつぶしてしまったんです。
その結果何が起きたかというと、また生コンの値段が下落したものですから、中小企業が倒産の危機に直面したんですね。
そこで2015年に、生コン産業として大阪の場合は成り立たないところまで追い込まれたんです。
セメントメーカーは分断支配をやるわけです。大阪広域協組という協同組合があって、それに対抗する阪神地区生コンクリート協同組合があって、もう一つはレディーミクスという協同組合、三つ協同組合があった。それに、どこにも入らない員外社「アウト」と、四つのグループがあったんです。一番影響力のある大阪広域協組というのがセメントメーカーが主導権を持っているところで、後は中小企業です。われわれ労働組合は、その中小企業と、協力連携していたわけです。それでセメントメーカーの主導的なやり方を変えよう、という主張をしていたんです。
それが2015年-月になると、セメント主導のところも立ち行かなくなったものですから、今度は労働組合に「ぜひわれわれに協力してください」と言ってきた。
「労働組合と協力して、業界の大同団結をする、労働組合との従来の約束についてもそれはちゃんと履行します」と。
従来の約束の中の大きな問題は、「雇用福祉基金を1立米あたり100円出す」、これは80年に約束し、94年に約束しながら実行されていなかったんです。ところが2015年は「実行します」と言った。「値戻しした段階では従来の約束を実行します」と。
100円と言っても、大阪府下でも530万立米ほど入れますから、100円で年間5億3000万円ほどになるんです。
「だから協力してください」ということだったので、「そういうことであれば協力しましょう」ということを2015年1月から、三つの中の阪神協組、レディー協組(中小企業関係)のところとわれわれと一緒になって、もともとセメントメーカーの広域協組と合流させるわけです。
もう一つ、アウトのところについても説得し、合流させる。そして大阪府下の生コン工場の99%を組織した。組織率がそれだけ高まってくると、ゼネコンという大手との取引が対等にできるようになりますね。大手商社、住友とかとも対等に取引できる。それで値戻しをし、値上げが2016年からレ年にかけて成功するんです。売り価格が1万5800円、標準価格がそれですから、実質上は1万7000円くらいまで値が上がるんです。
輸送運賃も上げなければ
これは中小企業主導型の闘いとして非常に良かったなと考えていたんですが、振り返ってみると、製造業は良くなったんですが、そこに出入りしているダンプとか、コンクリートミキサー、バラセメントを輸送する会社の運賃は全く上がっていないんですよ。
「製造業だけがそういうことをするのはおかしいんちゃうか、やっぱり出入りしている中小企業も等しく良くなる必要があるんじゃないか」。
だいたい労働者が多く働いているところは製造業よりも輸送業のところです。ですから輸送運賃が上がらないということは、輸送労働者の賃上げも難しくなるわけですよね。要するに個別の会社に要求するだけではなくて、なぜ賃上げができないかという原因をたどっていくと、今の韓国の仲間が闘っているように、親会社、荷主、力を持っているところから財源をとってこなければ、中小企業だけ突いたんでは成果は得られないわけですね。
そういうこともあって、われわれは昨年の12月12日から5日間、具体的な、例えばミキサーで言えば、大型車1日あたり4万円いってなかったんです。これを5万5000円にしなさい、バラ輸送の場合は、トン当たり510円値上げしなさい、これを要求してストライキに入ったんです。
ストライキに入ったら、滋賀と京都と奈良と和歌山、大阪でも大阪兵庫生コン経営者会の加盟社は、「分かりました。来年(18年)4月から値上げしましょう」と合意したんです。それで、5日間のストライキはそれで終結したんです。
終結して、いよいよ新年に向けて合意した内容の実行態勢に入ろうとした時に、何が起きたかというと、大阪広域協組は従来約束している「100」円を11月末で完全に止めてしまったんですね。それに加えて、約束したことを反故にしようとして彼らはキャンペーンを張りだしたんです。
つまり、「関生の行ったストライキは威力業務妨害、組織犯罪対策法違反だ」と言って、協同組合の人たちから署名を集める運動をする。
そして、「ヤメ検」、検事を辞めて弁護士をやっている人たちをずらっと連ね、そして他の法律事務所の弁護士も含めて33人の弁護士を入れて、その弁護士をヤメ検がリードする。そしてこのヤメ検だけでは無理だと見たのでしょう。在特会(「在日特権を許さない市民の会」と称する差別排外主義集団)系の瀬戸弘幸という者を引き込んで、その在特会と共闘して関生つぶしをやる、在特会に宣伝力1を送るわ、移動する車を送るわ、それから在特会の活動全部を協同組合の資金を通じて保障するということで、在特会を取り入れたんですね。
それで在特会と広域協組が一緒になって、今度はセメントメーカーがなし得なかった経営者会をつぶす、佃々に呼んで「もし連帯(関生支部)と交渉したり、連帯と話し合いをするということであれば、生コンの割り付けをストップする」と。
99%の占有率を持っているものですから、割り付けをストップされたらその会社は仕事がなくなるわけです。会社は手形を出しているから、会社は回らなくなるわけです。独占的地位を利用した。優越的地位の濫用ですけど、これをやってしまったんです。そうしたら、会社を維持するために、不当なことをやられているんだけど、どうにもできない、ということで経営者会から脱退者が出てきたわけです。
もう一つはバラセメント輸送協同組合の脱退社。増長して今度は、法律違反であろうが何であろうが、何でもいいから手段を選ばずに、この機会に関生をつぶすんだ、ということで在特・広域協組がグルになった攻撃が今でも続いているんです。
ただ、これは大阪広域協組全部がそうかと言ったら、そうではないんです。
今、大阪広域協組の理事長をやっているのは、もともと社会的に問題のある、宇部興産の関連会社の関西宇部出身だったのが木村貴洋というんですけど、この男は会社からも首になって、員外理事になったんです。これは祭られている(かいらい)政権なんです。これを支配しているのは、地神秀治、矢倉完治、大山正芳というやくざ、チンピラみたいな男です。この3人が自社の利権、セメントの販売の利権をとる、骨材を納入する利権を取る、輸送の利権を取る、バラ輸送の利権を取る、それでシェアを自分の都合のいいように取る、そういう利権のために、事実上この3人が全部をあおって、それで「反連帯」と。
そこへ共産党系の建交労(全日本建設交運一般労働組合)、それともともと連合の生コン産労(交通労連生コン産業労働組合)というのを引き連れて攻撃しているんです。
その攻撃で、「今度は10億でも20億でも金を使って徹底的に関生をつぶすんだ」と言っているようですが、われわれからすると、金で結び付いている連中なんで、金の切れ目が縁の切れ目で、すぐほころびるだろうと発信していたんですが、もうすでにそういうほころびは出ているんです。
まずヤメ検の弁護士を中心とする33人に今突きつけているのは四つの法律に違反しているということです。
一つは独禁法違反なんです。もう一つは協同組合法違反なんです。協同組合というのは相互扶助、「皆は一社の利益、ご社は皆の利益」の精神で成り立っているわけですね。ところが、優越的地位の濫用をするというのは、それ自体が協同組合の基本理念に反することなんです。だから、協同組合法違反。それから労働組合法違反。それと恐喝、洞喝しているので、これは刑事事件に相当することをやっている。
「四つの法律に違反しているようなことを弁護士が承知して名を連ねているのか」ということで質問状を出した。7日までに返事を寄こせと。そうしたらどうやら弁護士も、「団体交渉を拒否するのはおかしい」と言っています。
それともう一つは、在特会の瀬戸は別のグループをつくっていて、その別のグループが朝鮮総連の本部に拳銃を発砲して逮捕されているわけです。そういうつながりがあるんですよ。
そうしたら、今度は大阪広域協組は、たぶん金をやったと思うんですが、この2、3日のことですが、在特会との関係に距離を置くようになっています。また、協同組合内部から、こんな法律違反のやり方については訴訟を起こすということで、2月16日にユ社が訴訟を起こしているんです。この流れが一気に強まりつつあるんです。
ですからこれは、先ほどの3人、理事長を入れたら4人の体制は一気に瓦解する。
それを引き留めるために彼らは今何をしているかというと、「武委員長は4月10日に逮捕される」、それだけじゃなくて「16人が逮捕される」と宣伝し始めた。
権力は何でも口実を付けて逮捕しますが、それにしても日を設定して逮捕するなんていうことはあり得ない話です。それをバーっと言うて、この3月11日に、神戸で、和歌山で工業組合から除名された人間と大阪の4人がグルになって「決起集会」をやるというんです。その名目は「関生支部は愚連隊といっしょだ」「企業を洞喝し解決金を取っている。そういうとんでもない組織と闘っていくために、決起集会をやる」と。
これはたぶん不発に終わると思うんですが、そういう状況にあって、われわれは明日(3月7日)、第1回目の集団交渉を予定しています。それから和歌山では、明日行動を予定しています。結局裁判とか労働委員会は、それとして活用するのであって、それに依存してはだめです。行動の中で、彼らの攻撃をはねのけていこうということです。
交渉というのは二つの意味があるんじゃないか。
一つは要求を獲得するための手段なんですね。同時に、この交渉を仲間の団結を促進するための機会だと。つまり教育の機会だと。
教育というのはいろいろ話をして、理解納得するだけではだめだ。それはそれで必要だけど、行動しながら理論を学ぶ。理論と実践を統一しなければ組合員の確信にはならないということで、今年の春闘は、経済的な要求は、安倍のやっている官製春闘ではなくて、自力の闘いで勝利する。困難と思われる側面はあるが、これを団結を促進するチャンスだと思ってますからね。
ですから経済要求をしっかり実現するようなことと、「沖縄の基地新設を絶対認めない」という沖縄の仲間と連帯する、原発を認めない、憲法改悪には絶対に闘って、もし実行されるならストライキをもって闘っていく、というテーマでしっかり闘うのが今年の春闘です。
ちょうど3月11日は300台近く自動車を寄せてパレードをするんです。そういうことを旺盛に闘って、この今の安倍政権に鉄槌を食らわせていく、そして業界の刷新に向けてしっかり闘っていく。こういう春闘になると思うんですね。
(その③へつづく)
記事元 群馬合同労働組合