3・11郡山反原発行動へ
1 1月17日、福島市長選で現職候補が落選した。4月の郡山市、9月のいわき市に続き福島県の3大都市の市長選すべてで現職が敗北、24日の二本松市長選、広野町長選も同様だった。福島第一原発事故から2年8カ月、積もりに積もった国と東電への怒りが爆発したのだ。あふれる汚染水、4号機プールの燃料棒、甲状腺がんの増加。いつになったら原発事故は収束するのか。いつになったら安心して眠れるのか……。そこへ安倍の「アンダーコントロール」「将来にわたって健康問題はない」発言とオリンピック招致。もういい加減にしろ! 動労水戸と国労郡山工場支部の被曝労働拒否の闘いは、反原発を闘う労働運動の巨大な展望を切り開いた。この地平を全国に押し広げ、来春JR常磐線の竜田延伸阻止2・23いわき現地闘争―3・11反原発福島行動(郡山)の成功へ、被曝労働絶対反対で闘う労働組合・労働運動の力強い登場をかちとろう。
(写真 11・3労働者集会後、3・11反原発行動の横断幕を先頭にデモを行う福島の隊列【千代田区】)
検討委員会は「原発事故の影響ではない。チェルノブイリでは小児がん発生は事故から5年後」と言うが、それは当時の検査の精度から言っても完全にペテンだ。しかし逆に言えば、チェルノブイリでは事故後5年ごろまで発見されなかった異常が、すでに現在の福島で発見されているのだ。
9月のふくしま共同診療所報告会で松江寛人院長らが怒りをもって弾劾していたとおり、5㍉以下の結節をA2判定(=2年後まで再検査せず)とする県の基準も許し難い。これまでがんと診断された子どものうち一番小さい結節は5・2㍉。5㍉に迫る結節があっても放置されている子どもたちが相当数に上るのだ。異常が今後、爆発的に発見され得る状況だ。
チェルノブイリでは事故当時の成人も事故後15~20年を経て甲状腺がんを発症している。その数は40代後半では500~600人にまで及ぶ。
また県は「甲状腺がんは予後がいい。進行は緩やかで転移しない」と言うが、リンパ節への転移率は50%を超える。県内の子どもで甲状腺がん手術をしてすぐにリンパ節への転移が発見されたという情報も流れている。
さらに原子力規制委は従来の年間被曝線量1㍉シーベルト基準を「20㍉シーベルト以下であれば健康に大きな影響はない」として避難指示区域を解除する方針を決めた。「緊急事態」の基準を永遠に適用する福島切り捨て攻撃であり、低線量被曝・内部被曝を否定して避難区域への帰還を促す「国家による緩やかな殺人」そのものだ。
ふくしま共同診療所開院から1年。「避難・保養・医療」の原則を掲げ、住民のよりどころとして労働者市民の絶大な支持を得ている共同診療所とともに、われわれは真剣に被曝の現実と向き合い、闘っていかなくてはならない。
福島県では、いわゆる「震災関連死」が、行政が認めただけで1500人を超え、地震・津波による「直接死者数」を上回った。避難者は今もなお15万人を超え、県外への避難者は5万人に上る。仮設住宅や借り上げ住宅での暮らしはすでに限界を超えている。除染すれば地元に戻れるかのような幻想を散々あおった揚げ句、今になって「年間被曝線量を1㍉シーベルト以下にするのは無理」「帰れない地域も出てくる」などと住民の気持ちを逆なでして絶望のふちにたたき落とす国や県のやり方は、新たな健康被害を引き起こし、「関連死」を増加させている。町や村のコミュニティや団結は分断され、ずたずたにされた。
JR東は来春、常磐線の営業運転を広野駅から竜田駅(福島第一原発から15㌔)まで延伸しようとしている。延伸に向けてすでにJRの保線の下請け労働者が線路整備などの被曝労働に従事させられている。JRに限らず「帰村」のためのインフラ整備に動員される労働者、役場や学校などで働く労働者が「町がなくなっていいのか」「職場がつぶれていいのか」というキャンペーンのもと被曝労働を強いられる。
これに対して、被曝=労働者階級の生き死にの問題として徹底的に闘うことが死活的に求められている。動労水戸と国労郡山工場支部の外注化阻止・被曝労働拒否の闘いは、労働者の階級的魂を呼び覚まし、労働組合を活性化させ、新自由主義を打倒する青年の決起を生み出している。
国家権力と体制内勢力、日共スターリン主義はこの現実に驚愕(きょうがく)し、被曝に立ち向かう者に恐怖と憎悪をもって襲いかかる。ふくしま共同診療所へのバッシングとひとつながりの攻撃だ。現下の福島の攻防は被曝、内部被曝を真正面から問題としていくか、それとも「避難者支援」「復興支援」に問題をそらして国家権力との非和解的対決を避けていくのかに峻厳(しゅんげん)に分かれている。
しかしどんなに権力にこびを売ろうが、屈服しようが、被曝の現実は変えられない。問題は、プロレタリア革命によってしか変えられないこの現実を、いかに革命へと推し進めていくかにある。
その歴史的課題が動労水戸と国労郡山工場支部の被曝労働拒否の闘いによって階級的労働運動の課題として実践された。内部被曝を問題にして職場生産点で反原発を闘う労働組合運動がついに生み出されたのだ。
この地平が福島現地と全国をつなぐ労働運動となった時に、「収束・帰村」による福島圧殺、被災地分断のあらゆる策動を打ち砕く反原発運動が切り開かれる。国労郡山工場支部の闘いを守り発展させ、自治体、教労、そして原発労働者の闘いへと押し広げていくことが求められている。それは全国における「福島連帯! 福島の子どもたちの未来を守れ! 被曝労働絶対反対!」の一体的闘いでこそ実現できる。国鉄決戦、4大産別を先頭に、被曝労働拒否を反原発を闘う労働組合の路線として打ち立てよう。
安倍のオリンピック招致演説は、放射能汚染と被曝の現実を真正面から否定した階級戦争宣言だ。しかしオリンピックという国家主義的階級結集策をもってしか踏み出せないところに、敵の絶望的に追い詰められた危機がある。山本太郎参議院議員の天皇への直訴という事態ひとつに右往左往する姿にも、それは示されている。小泉純一郎がにわかに「原発ゼロ」を絶叫し始めたことも、反原発闘争が労働組合・労働運動と結合して階級闘争の爆発につながることへの日帝・資本家階級の恐怖の表現だ。
11・3労働者集会の大結集、11月21日の日比谷野音における秘密保護法反対集会への1万人を超える労働者人民の決起は、労働組合の再生と本格的登場を予感させるものだ。
大恐慌と戦争の時代へと突入し、プロレタリア革命が不可避に引き寄せられる情勢の中、動労千葉を先頭とする国鉄決戦と反原発決戦の結合、階級的労働運動の拠点建設の前進が待ったなしで問われている。この闘いを福島の地で歯を食いしばって切り開いていくことこそが何よりも求められている。全原発廃炉の道筋もここにある。
動労水戸と国労郡山工場支部の外注化阻止・被曝労働拒否の闘いの地平を、福島・全国の労働組合に押し広げ、来春JR常磐線の竜田延伸阻止2・23いわき現地闘争―3・11反原発福島行動(郡山)の成功へ向け、被曝労働絶対反対を闘う労働組合・労働運動を力強く登場させよう。その力で農民の怒りと結合し、労農同盟を打ち立てよう。「放射能による遺伝的影響はない」と言いなす福島大学・清水修二などの御用学者を大学からたたき出す学生運動の大高揚をつくり出そう。
被曝労働反対! 労組の力で福島圧殺攻撃を打ち破ろう!

(写真 11・3労働者集会後、3・11反原発行動の横断幕を先頭にデモを行う福島の隊列【千代田区】)
甲状腺がんの多発と闘う共同診療所
福島県県民健康管理調査検討委員会は11月12日、「9月末現在、甲状腺がんと診断された子どもは26人、がんの疑いを合わせると59人」と発表した。1986年のチェルノブイリ原発事故で起きた以上のことが始まっている。一般的に小児甲状腺がんの発症は100万人に1人とされる。チェルノブイリ事故後5~7年の山下俊一チームによる疫学調査では、10歳以下の5万5千人の検査で4人の甲状腺がんが確認された。1万人に1人だ。それが今の福島県では4千人に1人なのだ。検討委員会は「原発事故の影響ではない。チェルノブイリでは小児がん発生は事故から5年後」と言うが、それは当時の検査の精度から言っても完全にペテンだ。しかし逆に言えば、チェルノブイリでは事故後5年ごろまで発見されなかった異常が、すでに現在の福島で発見されているのだ。
9月のふくしま共同診療所報告会で松江寛人院長らが怒りをもって弾劾していたとおり、5㍉以下の結節をA2判定(=2年後まで再検査せず)とする県の基準も許し難い。これまでがんと診断された子どものうち一番小さい結節は5・2㍉。5㍉に迫る結節があっても放置されている子どもたちが相当数に上るのだ。異常が今後、爆発的に発見され得る状況だ。
チェルノブイリでは事故当時の成人も事故後15~20年を経て甲状腺がんを発症している。その数は40代後半では500~600人にまで及ぶ。
また県は「甲状腺がんは予後がいい。進行は緩やかで転移しない」と言うが、リンパ節への転移率は50%を超える。県内の子どもで甲状腺がん手術をしてすぐにリンパ節への転移が発見されたという情報も流れている。
さらに原子力規制委は従来の年間被曝線量1㍉シーベルト基準を「20㍉シーベルト以下であれば健康に大きな影響はない」として避難指示区域を解除する方針を決めた。「緊急事態」の基準を永遠に適用する福島切り捨て攻撃であり、低線量被曝・内部被曝を否定して避難区域への帰還を促す「国家による緩やかな殺人」そのものだ。
ふくしま共同診療所開院から1年。「避難・保養・医療」の原則を掲げ、住民のよりどころとして労働者市民の絶大な支持を得ている共同診療所とともに、われわれは真剣に被曝の現実と向き合い、闘っていかなくてはならない。
福島県では、いわゆる「震災関連死」が、行政が認めただけで1500人を超え、地震・津波による「直接死者数」を上回った。避難者は今もなお15万人を超え、県外への避難者は5万人に上る。仮設住宅や借り上げ住宅での暮らしはすでに限界を超えている。除染すれば地元に戻れるかのような幻想を散々あおった揚げ句、今になって「年間被曝線量を1㍉シーベルト以下にするのは無理」「帰れない地域も出てくる」などと住民の気持ちを逆なでして絶望のふちにたたき落とす国や県のやり方は、新たな健康被害を引き起こし、「関連死」を増加させている。町や村のコミュニティや団結は分断され、ずたずたにされた。
帰還強要許すな! 常磐線延伸阻止へ
こうした中で、あたかも団結を回復するためであるかのごとく、帰還運動が推し進められている。新たな20㍉シーベルト基準はそのためだ。JR東は来春、常磐線の営業運転を広野駅から竜田駅(福島第一原発から15㌔)まで延伸しようとしている。延伸に向けてすでにJRの保線の下請け労働者が線路整備などの被曝労働に従事させられている。JRに限らず「帰村」のためのインフラ整備に動員される労働者、役場や学校などで働く労働者が「町がなくなっていいのか」「職場がつぶれていいのか」というキャンペーンのもと被曝労働を強いられる。
これに対して、被曝=労働者階級の生き死にの問題として徹底的に闘うことが死活的に求められている。動労水戸と国労郡山工場支部の外注化阻止・被曝労働拒否の闘いは、労働者の階級的魂を呼び覚まし、労働組合を活性化させ、新自由主義を打倒する青年の決起を生み出している。
国家権力と体制内勢力、日共スターリン主義はこの現実に驚愕(きょうがく)し、被曝に立ち向かう者に恐怖と憎悪をもって襲いかかる。ふくしま共同診療所へのバッシングとひとつながりの攻撃だ。現下の福島の攻防は被曝、内部被曝を真正面から問題としていくか、それとも「避難者支援」「復興支援」に問題をそらして国家権力との非和解的対決を避けていくのかに峻厳(しゅんげん)に分かれている。
しかしどんなに権力にこびを売ろうが、屈服しようが、被曝の現実は変えられない。問題は、プロレタリア革命によってしか変えられないこの現実を、いかに革命へと推し進めていくかにある。
その歴史的課題が動労水戸と国労郡山工場支部の被曝労働拒否の闘いによって階級的労働運動の課題として実践された。内部被曝を問題にして職場生産点で反原発を闘う労働組合運動がついに生み出されたのだ。
この地平が福島現地と全国をつなぐ労働運動となった時に、「収束・帰村」による福島圧殺、被災地分断のあらゆる策動を打ち砕く反原発運動が切り開かれる。国労郡山工場支部の闘いを守り発展させ、自治体、教労、そして原発労働者の闘いへと押し広げていくことが求められている。それは全国における「福島連帯! 福島の子どもたちの未来を守れ! 被曝労働絶対反対!」の一体的闘いでこそ実現できる。国鉄決戦、4大産別を先頭に、被曝労働拒否を反原発を闘う労働組合の路線として打ち立てよう。
国鉄・反原発決戦で労組拠点つくろう
「3・11情勢」という時代認識は、後戻りすることのない本格的な革命情勢の開始ということであり、「主体の情勢化」を強烈に迫っている。情勢は、福島をめぐって階級闘争絶滅攻撃との歴史的決戦に突入している。安倍のオリンピック招致演説は、放射能汚染と被曝の現実を真正面から否定した階級戦争宣言だ。しかしオリンピックという国家主義的階級結集策をもってしか踏み出せないところに、敵の絶望的に追い詰められた危機がある。山本太郎参議院議員の天皇への直訴という事態ひとつに右往左往する姿にも、それは示されている。小泉純一郎がにわかに「原発ゼロ」を絶叫し始めたことも、反原発闘争が労働組合・労働運動と結合して階級闘争の爆発につながることへの日帝・資本家階級の恐怖の表現だ。
11・3労働者集会の大結集、11月21日の日比谷野音における秘密保護法反対集会への1万人を超える労働者人民の決起は、労働組合の再生と本格的登場を予感させるものだ。
大恐慌と戦争の時代へと突入し、プロレタリア革命が不可避に引き寄せられる情勢の中、動労千葉を先頭とする国鉄決戦と反原発決戦の結合、階級的労働運動の拠点建設の前進が待ったなしで問われている。この闘いを福島の地で歯を食いしばって切り開いていくことこそが何よりも求められている。全原発廃炉の道筋もここにある。
動労水戸と国労郡山工場支部の外注化阻止・被曝労働拒否の闘いの地平を、福島・全国の労働組合に押し広げ、来春JR常磐線の竜田延伸阻止2・23いわき現地闘争―3・11反原発福島行動(郡山)の成功へ向け、被曝労働絶対反対を闘う労働組合・労働運動を力強く登場させよう。その力で農民の怒りと結合し、労農同盟を打ち立てよう。「放射能による遺伝的影響はない」と言いなす福島大学・清水修二などの御用学者を大学からたたき出す学生運動の大高揚をつくり出そう。