昨1月18日、原発反対の活動をしてきた3名のNAZENさいたまの仲間が道路運送法違反で不当逮捕されました。2015年9月帰町宣言当日にに福島県楢葉町に視察ツアーを行い、交通費を割り勘にして集めたことが、道路運送法違反だとされました。原発に反対し、戦争に反対する人間は、こんなことでいつでも逮捕される状況を許してはなりません。
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本日1月19日、NAZENさいたまやさいたまユニオンの仲間の呼びかけにこたえて、群馬から4名で朝の川越警察署とさいたま地検への激励・抗議行動に参加しました。川越警察署に留置されている二人の仲間は移動の護送車の中から手をふってエールを返してくれました。私たちは、団結して、決して負けません。みなさんのご支援をお願いします。
この「事件」、実は2016年2月26日に4件の家宅捜索が行われています。それについて、今回逮捕された高木美佐子・NAZENさいたま代表が「NAZEN通信」2016年3月15日号に投稿していました。これをぜひみなさんに読んでいただきたいと思います。
★★私たちは政府・国家権力のフクシマ切捨て弾圧には屈しない!
★★埼玉県警公安3課の不当捜索を弾劾する
NAZENさいたま代表・高木美佐子
2月26日の早朝、私の自宅に埼玉県警公安3課による家宅捜索がありました。
私は前日に緊急入院していたために不在で、対応した娘に闘いて初めて捜索を知りました。
■楢葉現地見学が犯罪なのか?
捜索の理由は、「NAZEN埼玉」と称するする団体が、福島県楢葉町に、帰町宣言当日の昨年9月5日、レンタカーを借りて楢葉町から浜通りを見学にいったことが「道路運送法4条」違反だというものです。同じ理由でNAZEN埼玉のスタッフ的な3人の仲間の自宅や事務所が捜索されました。「道路運送法4条」というのは、「一般旅客自動車運送事業を経営しようとする者は、国土交通人臣の許可を受けなければならない」という条文だそうです。
9月5日の楢葉町ツアーは、10人乗りのレンタカーを借りて、NAZEN埼玉の会員を中心に、楢葉町出身の避難者の案内で、本当に「帰還」できる状態なのか自分たちの目で見てこようと企画したものです。費用は割り勘で、運転も交代で行いました。ツアーの動画は他の地域の学習合などでも上映してもらっています。それ以前にも福島市内から南相馬や富岡町を見てきたこともあります。
5年目の3・11をひかえ、3・11反原発行動の取り組みを強めようとしていた矢先の捜索でした。パソコンや3・11ビラなどを押収していきました。4箇所のうち1箇所は窓ガラスをバールでぶち壊して、土足で乱大してきたというのですから、常軌を逸していると思います。
仲間同士でレンタカーを借りて、割り勘で出かけるということは、ごく普通にどこででもやられていることです。
安倍首相は、常磐線の全線開通を3月5日に公式発表しました。そこまでして「フクシマの被曝はたいしたことはない」「もう終わった」としたいのでしょう。でも、これはとんでもない被曝の強制です。朝鮮半島が実にきな臭くなっているなか、核武装を目指している政府にとって、原発は手放せないからなのでしょう。
私はナガサキの爆心地で被爆しました。同級生の多くが病気で亡くなる例が少なくなかったなかで、いつ来るかと不安を抱えながら生きてきました。ですから福島の人々の不安は他人ごとではありません。避難される方の想いは正当だと思うし、避難できない方もぜひ保養を心がけてほしいと思います。また福島の人々への十分な医療を国家的責任で保障すべきだと思っています。そういう思いで活動し、何度も福島現地に足を運んできました。
■被爆者として負けることはできない
でもここ数か月、体調がすぐれない日が多くなり、検査の結果ガンの宣告を受け、ただちに入院となりました。その夜は、ついに来たかと気弱になっていたのですが、翌26日の家宅捜索の報告を娘からもらったとき、「負けてはいられない」という思いが強くなりました。広島・長崎の被爆者は、こういうときのためにいるのではないかと思うのです。ヒロシマもナガサキも被爆から何年もの間、真実を話すことが許されませんでした。これが被ばくの真実と国家との関係です。そういうなかで、被爆者は声をあげ闘ってきました。
「楢葉ツアー」への弾圧の目的は、フクシマの真実、放射能の被害を隠すことなのです。なかったことにしようとする政府と闘って、福島の放射能被害、子どもの健康被害を認めさせ、その責任をとらせる。医療を保障する。そういうことを、私はナガサキ被爆者だからこそ、福島の人々とともにやっていきたいと強く思っています。このまま倒れるわけにはいきません。
NAZENのみなさんとともに、不安いっぱいのフクシマのみなさんとともに頑張ります。